音楽で感じるアジア全3本

自由が育む、豊かな音楽文化

世界中の多くの人々は、日常生活の中で「音楽のエネルギー」に支えられながら生きています。音楽によってリラックスすることもあれば、リズムに乗って陽気に踊ることもあります。私たちは、音楽によって励まされ、癒され、鼓舞され、また懐かしむこともあるでしょう。厳粛な気持ちにさせられることもあります。音楽は、民族や言語の違いを超えて人々を魅了し、感動させます。そして、こうした豊かな音楽文化は、人間が幸福に生きていくための“自由”があってこそ育まれるものではないでしょうか。

音楽が社会に与える影響も大きい

音楽の力は、当然、個人に対するものだけではありません。その力は、ときに社会に対しても絶大な力を及ぼします。そうした力を危惧して、為政者や権力者たちは音楽を禁じたり、また逆にプロパガンダに活用したりすることも多いのです。例えば北朝鮮には、最高指導者の金正恩氏が作ったといわれる「モランボン楽団」がありますが、これらは国家指導者をたたえ、人民を洗脳し、鼓舞する狙いがあります。そうした意味で、音楽には「政治性」を帯びることも多々あります。しかしながら、政治的思惑の中で生み出された音楽よりも、人間本来の自然な感情から紡ぎだされた音楽こそが、多くの深い共感を呼び、国境を越えて支持されるものになるのではないでしょうか。

多彩な音楽文化からアジアを感じよう

多くの民族や国家があるアジアは、気候風土も様々です。音楽にも多彩な文化があり、その特色を一言で語れるものではありません。西洋で急速な進化を遂げた近代音楽に比べ、伝統的なアジアの民族音楽には、素朴な音色と自然に調和したメロディーが心を揺さぶります。見慣れない民族楽器の数々は独特な音色を奏で、人間の本能に近い部分で共鳴するような感覚を受けます。古い歴史と伝統を持ちながら、それらを受け継ぎ、時代にあわせて発展させていく音楽家たちの活動は、じつに挑戦的で、また刺激的です。そんな音楽家たちが奏でるメロディーから、今まさにアジアの人々が生きる社会と、そこにある気風、多彩な文化を感じてみませんか。

音楽が社会的メッセージになる

音楽は“自由”の象徴として、強いメッセージを帯びることもあります。それは民衆の怒りであったり、権力への反抗であったり、闘争への呼びかけにもなります。行き詰まった社会に対する若者たちの不安や苛立ちがあらわれることもあります。それぞれの音楽から感じられる、それぞれの社会、そして人々のメッセージは、今、アジアが直面する伝統と革新、その大きなうねりを予感させるものでもあるのです。
 
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