変わりゆくモンゴル全2本

成長率世界一 変貌する都市ウランバートル

1990年代の民主化以降、激動を続けるモンゴルは、どこへ行くのでしょうか。銅・金・石炭の主要鉱物資源の輸出がモンゴル経済・市民生活を底支えし、成長率世界一とも言われる経済発展に沸き立つモンゴル。人口146万人のモンゴル第一の都市 ウランバートルでは、次々と新たなビルの建設が進み、その変貌ぶりは驚くばかりです。都心には高級マンションが立ち並び、自動車の普及で慢性的な渋滞に悩まされています。「モンゴル相撲」や「馬頭琴」といった従来からのモンゴル像からは想像できない都市文化が急速に広がっているのです。

モンゴルの遊牧民は、総人口の10%以下に

モンゴルの経済発展は、当然ながら社会に負の影響も与えています。貧富の格差や環境問題、政治腐敗など、さまざまな社会問題が深刻化しているのです。すでにモンゴルの遊牧民は、総人口の10%にも満たないといわれており、ウランバートル郊外にあるスラム街、「ゲル地区」には、自然災害などで家畜を失い生活できなくなってしまった遊牧民たちや、仕事のない地方出身者が流入し、治安も悪化しています。ウランバートルの中心地に立ち並ぶ高級マンションとの生活レベルの格差はどんどん広がっています。

モンゴルでヒップホップが大流行 そのルーツは遊牧民

そうした社会状況下で、モンゴルの若者たちに「ヒップホップ」が大流行しています。モンゴルのラッパーたちは、経済発展の歪みで生じた社会問題や政治問題に深く切り込み、舌鋒鋭く批判するのです。そうした音楽は、若者たちから絶大なる支持を得ています。なぜモンゴルでヒップホップなのか?そこには理由がありました。じつは、ヒップホップは、モンゴルの言語や伝統文化に通じるところがあるといいます。それは壮大なアジアの大地で生きてきた遊牧民たちが受け継ぐ「口承文芸」や「韻踏み」などの言葉遣いの特徴が、そのルーツになっているというのです。

特集「変わりゆくモンゴル」では、「大草原」「遊牧民」といった、今までの牧歌的なモンゴルのイメージだけでは語れない変わりゆく姿と現代モンゴルの実像を見つめます。
 
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