動物の尊厳全3本

それぞれの動物には本性に従って生きる権利がある

動物には人間から搾取されたり、残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利があるとする考え方があります。「アニマル・ライツ」と呼ばれるものです。こうした考え方は、命ある動物に対してやさしい眼差しを向けるという観点だけでなく、私たちの社会における「性差別」や「人種差別」に反対することの延長線上にあると考える人もいます。

人間は動物を食糧にして生きている

一方で人間は、多くの生き物の犠牲の上で生きています。人間の食糧のために、育てられ、殺される動物が、社会には欠かせないのです。牛や豚や鶏などの家畜を殺して食べることに罪悪感を持つ人々はごくわずかです。養殖される魚介類も同じです。人間は、はるか昔の狩猟時代から、生存のために様々な動物を殺して、それを食糧にして生きてきたのです。

人間の都合で犠牲になる動物たち

しかし、東日本大震災に伴う原発事故の際に、多くの動物が現地に置き去りにされ、飢餓など残酷なかたちで命が奪われました。そこで、放射能に汚染された家畜を生かすべきか、殺すべきかという議論が巻き起こったのです。家畜に対し、動物の尊厳をどう考えるべきか、私たちは問われたのです。
また、遺棄されたペットたちの保健所による殺処分は、動物の尊厳を考える上で長年深刻な問題として改善努力が続けられています。しかし、心無い人々の身勝手な都合により、まだまだ犠牲になる動物たちが後を絶ちません。

動物を利用するのではなく共生する

人間と動物は、何万年もの長い時間の中で、その関係性を築いてきました。犬は人間がはじめて飼育した動物だといわれ、狩猟の際に、犬の能力を用いたことが共生の起源だといわれています。猫との関係も、ネズミなどの害虫を駆除する関係性から、ペットとして人間に心の癒しをもたらしてくれる存在になりました。動物を神様の使いとして、崇める風習も受け継がれてきました。アジアでは、象が聖なる存在として信仰に取り入れられながら、一方で重要な労働力として奴隷のように酷使されてきました。習慣、伝統、娯楽、癒し・・・。人間は、様々な目的で動物との関りを深めてきましたが、それが一方的な「利用」ではなく、いかに動物を尊重し、「共生」すべきかについて、まだまだ考えを深めていく必要があります。

特集「動物の尊厳」では、こうした人間と動物の関係について、あらためて見つめ直すドキュメンタリー映画3作品をお届けします。

 
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