路上で生きる全3本

世界で1億人以上いる路上生活者

国連の調査によれば、路上で生活する人々は世界中で1億人以上いるといわれています。世界一の経済大国アメリカですら、深刻な貧困化が進み、全米のホームレスは政府の公式発表で約55万4千人(2017年1月時点)、そのうち路上生活者は19万3千人とされています。しかしながら実態は、正確に把握されておらず、現実にはその数倍にのぼるという見方もあります。

アジア諸国にあふれるホームレスたち

アジア諸国でも深刻な状況が見られます。インドのムンバイでは、約1250万の人口に対して、2万5千人が無一文で路上生活を余儀なくされています。カースト制度により、仕事が身分ごとに固定され、他階層への移行が難しいため、大家族のホームレスも多いのです。インドネシアのジャカルタでは、2万8千人のホームレスが存在し、年々増加しています。そして世界一ホームレスが多い都市が、フィリピンのマニラです。7万人にのぼる人々が行く当てもなく路上で生活しています。フィリピン全体では120万人の子どもたちがストリートチルドレンになっているといわれています。

社会復帰に高い壁

誰もが、自ら望んで路上で暮らしているのではなく、貧困をはじめ、家庭崩壊、アルコール中毒や薬物中毒、障がいや精神病なども、原因になっています。しかしながら、こうした問題を解決することは、どこの国にとっても容易ではありません。一度、ホームレスに転落してしまうと、そこから社会復帰するには、数々の高い壁があり、多くの場合、支援なしでは立ち直れない現実があります。何より、社会の無関心が、問題解決の妨げになっているともいわれています。

路上生活者の実態から見えてくるもの

社会の最底辺である路上生活者の実態から見えてくるものは何か。そこには、じわじわと押し寄せる格差の固定化と、経済のグローバル化、先端技術社会到来による雇用のミスマッチや単純労働の減少など、社会構造の変化に取り残されてしまう人々の深刻な”孤立”があります。孤立は、人間から人間らしさを奪ってしまうものです。経済力の低下とともに急速な高齢化社会を迎える日本では、今後、ますます深刻な状況に直面することになるでしょう。社会全体の無関心こそが、彼らを苦しめる元凶になります。絶望的な状況から彼らを救うには、やはり、人間的な希望の光が必要なのです。

 
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