薬物と貧困全2本

低年齢化するアジアの薬物中毒者たち

日本は、欧米諸国などに比べ、格段に麻薬と縁遠い国といわれています。しかし世界中で大麻の使用が広がるなか、訪日外国人増加の影響などもふまえながら、社会全体で薬物問題に対する意識を高める必要があります。特に、アジアは麻薬原料の栽培が盛んで、さらに紛争や貧困といった社会状況を背景に、薬物中毒者が少年にまで広がっています。日本でもインターネットを通じて購入した大麻を所持していた中学生が、昨年今年と相次いで逮捕され、関係者に衝撃を与えました。

薬物問題が深刻化するアジアの貧困国

アジア諸国では、貧困と結びついて薬物中毒が蔓延しています。特にネパールやパキスタン、フィリピンは、極めて深刻な状況といわれています。貧しいストリートチルドレンが、空腹を満たすために薬物を使用し、依存症に陥ってしまう例や、裏社会の大人たちに利用され、薬物依存による支配を受けることで、売春など違法な労働に従事させられる例もみられます。さらに注射器や注射針の使い回しからHIVに感染し、性行為によりHIVが社会に感染していくという酷い現実があるのです。

極めて困難な薬物中毒者の社会復帰

また、薬物中毒に陥ってしまった人々が、社会復帰するには非常に高いハードルがあります。貧しい社会では、薬物中毒者を支える医療、福祉体制がほとんど整備されておらず、すでにある施設も飽和状態で、増加する中毒者を受け入れることは容易ではありません。さらに、宗教的な価値観が色濃く反映される社会では、中毒者やHIV感染者に対する目が厳しく、そのため家族や親族が、身内の薬物中毒を隠す傾向にあるといいます。なかでも、女性に対する差別思想が強い国では、薬物依存自体がありえないこととして、社会全体が女性の中毒者の存在を見棄てるような風潮があるのです。

 
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