ベトナム戦争の真実全3本

戦場を自由に報道できた最初で最後の戦争

ベトナム戦争は、戦場を自由に報道できた最初で最後の戦争でした。戦場に、多くのジャーナリストや従軍カメラマンが同行し、戦争というものがどういうものか、その実態を世界に伝えたのです。ここには、ベトナム戦争を優位に進めようとしたアメリカの誤算がありました。

世論をコントロールできると考えていたアメリカ政府

ベトナム戦争に対する国民の理解を得るためにアメリカが考案したのが、高度な広報戦略でした。それは、戦場での報道を奨励し、取材陣を支援することで、世論の好印象を作り出そうとする作戦でした。アメリカは多くの報道機関に対し、特派員の派遣を働きかけます。また、海外の報道機関にも積極的に援助し、報道を奨励しました。輸送手段の提供や、現地の案内もアメリカ軍が行ったのです。そうすることで、メディアをアメリカ側に取り込み、アメリカに好意的な報道を作り、世論をコントロールできると考えていたのです。特派員たちに愛国主義を訴え、共感させることで、軍の宣伝機関のように統制することがねらいでした。

広報戦略の失敗が生んだ歴史的意義

しかし、そうした広報戦略は失敗します。特派員の数は増大し、政府の公式見解には従わず、独自取材を行う記者が増大したのです。結果として、アメリカは情報のコントロールを失い、アメリカ側にとって不利な報道も自由に行われるようになったのです。また、テレビの普及が、国民の反戦感情をあおったともいわれています。しかし結果的に、ありのままの戦争を記録し、その真実を後世に伝える機会をつくったことは、皮肉にも歴史的な意義を私たちにもたらしたと言えるでしょう。

残された記録から真実を紐解く

ドキュメンタリーは、事実を記録することに大きな価値を持ちます。それは、常に最新の情報を流し続けるニュース報道とは異なるものです。記録を紐解くことは、歴史をふりかえること。歴史をふりかえりながら、それらの事実の記録を、私たちがどのように受け止め、教訓にできるかが重要です。ベトナム戦争の実態を知ることで、戦争がどのようなものかを知ることができます。その後の、例えば湾岸戦争やイラク戦争の実態と比較することもできます。私たちは、もっともっと多くの事を、歴史の記録から学ばなければならないのではないでしょうか。

 
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