原爆と平和全4本

原爆投下から74年 無くならない核兵器

広島、長崎へ原爆が投下されて74年が経ちましたが、世界では核廃絶どころか、今なお核兵器の開発が進められています。核拡散防止条約(NPT)で核兵器保有の資格を国際的に認められた核保有国はアメリカ、ロシア(ソ連からの継承)、イギリス、フランス、中国の5か国。それ以外(NPT非批准)の核保有国はインド、パキスタン、北朝鮮の3カ国。さらに、核保有が確実視されている国にはイスラエルがあり、核開発の疑惑国にはイラン、シリア、ミャンマーなどがあります。こうした核兵器の開発は、国家が外交交渉を有利に進めるための駆け引きのカードになってしまっていることは否めません。

記憶が風化しつつあるヒロシマ・ナガサキ

一方、唯一の戦争被ばく国である日本で、国民の原爆への記憶が薄れつつあります。戦後70年に合わせてNHKが全国の20歳以上の男女を対象に実施した世論調査で、広島と長崎に原爆が投下された日付を正しく答えられた人はわずか3割しかいませんでした。広島、長崎で、あわせて21万人もの命が失われ、今なお後遺症に苦しむ被ばく者がいるなかで、すでに風化が深刻な事態にまで陥っているのです。もはや知られていないことを嘆いている場合ではなく、少しでも伝える機会を増やしていくしかありません。

世界で広がり続けるHibakusha

核兵器の恐ろしさは、その凄まじい破壊力にありますが、さらに恐ろしいのが放射能です。実際に戦争で使用されなくても、核兵器の開発や原子力の平和利用においても、世界中でHibakushaは増え続けています。原子爆弾、核実験、ウラン採掘、核物質の流出事故、原子力発電所事故…。今や、核による被害者は、国境を超えて地球全体に広がっているのです。こうした状況を少しでも止めるためにも、日本の被ばく経験を、しっかり世界と共有する必要があるのではないでしょうか。

考える「平和教育」、考える「歴史教育」、考える「未来教育」

今回の特集では、原爆投下のあの日から、その悲惨な体験を後世に受け継ぐため、懸命に活動を続けてこられた方々のドキュメンタリー映画、4作品を配信いたします。いずれの作品も、日本国内だけではなく、世界に向けて原爆の恐ろしさを伝え、それを受け止めようとする人々との交流の上に成り立っています。これらのドキュメンタリー映画は、考える「平和教育」、考える「歴史教育」としても役立てられるでしょう。そして、平和を維持するとされてきた「核の抑止力」、安全保障で日本が頼るアメリカの「核の傘」。そうした核への依存から、いかに世界を解放していくのかについて、私たちは自らの未来を考えなければなりません。


 
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