音楽との出会い全4本

時代も国も超越する共通の言語

私たちのアジアは、いつの時代も混沌としています。多くの異なる民族が、それぞれの宗教や文化を持ち、大陸を行き交い、繁栄し、滅亡し、歴史は巡ります。そんな私たちが生きているこの世界で、時代も国も超越する共通の言語があることをご存じでしょうか。音楽です。多彩な文化や国境の垣根を乗り越え、音楽は私たちに新しい出会いをもたらしてくれます。

世界の混沌のなかで暴力なしで戦える大切な手段

紛争や革命で国を追われた音楽家たちは、その怒りや悲しみの旋律の先に、未来への希望も奏でようとするでしょう。愛する故郷に思いを巡らすメロディには、遺伝子に刻まれた懐かしい記憶をよみがえらせる力が秘められているでしょう。そして、人々に深い感動や共感を与え、励まし、勇気をもたらす音楽は、世界の混沌のなかで、暴力なしで戦える大切な手段ではないでしょうか。

土着の音楽と、西洋の音楽の交差、融合、進化

音楽は限られた人々のものではありません。アジアの街角で楽器を奏でる市井の人々は、都市にも農村にも存在します。そしてアジアの民族が育んできた土着の音楽と、流入してきた西洋の音楽が交差し、融合し、独自の進化を遂げ、さらに深みを増しているのです。その国の文化の豊かさは、そうした新たな出会いを受け入れ、さらなる可能性を探求しようとする市井の人々のすそ野の広さによって育まれていくものです。

音楽の力で世界に自由を

音楽は、民衆を巻き込んで、時に大きな力を持ちます。だからこそ、音楽の力を利用しようとする権力者もいます。一方で、民族、国家、主義、思想という衝突の危険をはらんだ壁を素通りし、自らのアイデンティティを持って相手の懐に飛び込むことができるのも音楽です。独裁的な為政者は、人々から音楽を奪い、音楽を規制し、音楽を意のままに操ろうとします。しかし、音楽の力で世界の自由を取り戻そうとする人々の情熱が消えることはありません。

今回の特集では、多彩な文化が交差するアジアで、こうした音楽の力を活かしながら、何かを成し遂げようとする音楽家たちの情熱や思いを取り上げた音楽ドキュメンタリー4作品をお届けします。この特集をご覧いただくことで、新たな音楽の可能性を感じさせる出会いが見つけられるかもしれません。

 
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