認知症の愛全3本

高齢者の5人に1人が認知症になる時代へ

団塊の世代が75歳以上になる2025年、高齢者の5人に1人が認知症になる時代がやってくると言われています。家族の誰かが認知症と関わる生活が現実になるのです。そうなると、今よりも確実に認知症は私たちにとって身近なものになるでしょう。誰もが認知症と向き合い、支えあって生きていく社会とはどのようなものなのか。私たちは、理解を深め、備えておく必要があります。大切なことは、まず認知症が何であるかという正しい知識を得ることです。脳の仕組みを理解し、原因や症状の特徴、治療の方法などを知ることで、自分も周囲も冷静に受け止めることができるでしょう。そのなかで認知症を記録したドキュメンタリー映画は、起こりうる様々な壁を私たちに疑似体験させてくれます。

認知症を前向きに受け入れる生き方

ドキュメンタリーで映し出されるのは、認知症の本人と本人を支える家族との関係です。介護する家族は、どのように向き合うべきなのか。上手に向き合うことができないと、本人にとっても家族にとっても、悪夢のような日常が続き、疲弊してしまいます。映画には、そうした問題への数多くの貴重なヒントが散りばめられています。その1つが、認知症を受け入れるということです。生活の不自由さだけに目を向けるのではなく、違った人生が始まるということを、前向きに受け入れる生き方です。人によってそれぞれ事情は違いますが、認知症と上手につきあっていくことで、失うものばかりでなく、得られるものもあるのです。

問われているのは社会の「絆」と人間の「愛」

認知症の介護を、配偶者や家族にだけ負わせる社会は、多くの共倒れを生むでしょう。人と人が孤立した社会では、認知症という大きな壁を乗り越えることはできません。私たちが今問われているのは、社会の「絆」と人間の「愛」です。隣近所で互いに支えあって生きること。それは社会本来の大きな価値であったはずです。システムやサービスを超えて、助け合って生きる「絆」を、地域のコミュニティに取り戻せるかは、認知症の時代を生きていくための重要なカギになってきます。そして、記憶が薄らいだとしても、人間は「愛」を感じることができます。「愛」が人を支え、人を励まし、人に生きる喜びを与えてくれるということを、認知症のドキュメンタリーは教えてくれるのです。


 
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