北朝鮮のマネー獲得術全4本

数多くの抜け穴が指摘される経済制裁

北朝鮮は、国際社会からの経済制裁や新型コロナウイルス感染症の流行により、経済的な困窮を深めていますが、弾道ミサイルを発射するなどの挑発行為は続いており、核兵器の開発、製造も続いているとみられます。なぜ、北朝鮮は、経済制裁下にも関わらず、軍事技術の開発資金を手にすることができるのでしょうか。その裏側には、独裁国家・北朝鮮ならではの“マネー獲得術”が存在します。洋上での違法な物資の移し替え「瀬取り」をはじめ、制裁では数多くの抜け穴が指摘されてきました。サイバー攻撃による巨額資金の強奪も明らかになっています。

外貨獲得の司令塔「39号室」

北朝鮮の外貨獲得を指揮するのが朝鮮労働党中央委員会「39号室」。数多くの貿易会社、銀行、企業を傘下に抱え、外貨獲得の司令塔の役割を果たすといわれています。その存在は、謎とされてきましたが、近年、幹部の脱北などにより、その実態が次第に明らかにされてきました。元幹部によれば、この組織は国家指導者の統治資金を管理し、外貨獲得のための国内生産と貿易を指導する合法的な機関だといいます。プールされた資金は最高指導者の統治資金として高級品や贅沢品の購入、核兵器や弾道ミサイルの開発資金にも使われていたことが国連制裁委員会の調査でも明らかになっています。

「強制労働」による外貨獲得

また北朝鮮が、自国民の「強制労働」によって、外貨獲得に励んでいる実態も明らかになっています。北朝鮮労働者の主な受け入れ先は、ロシア、中国、モンゴル、アフリカ諸国、中欧、中東と言われています。国内の貧しい労働者たちは、何とかして生活資金を得るため、「稼いだ賃金は自分のものになる」という政府の誘い文句に騙され、海外に派遣されています。彼らの給料は、ほぼ全額を政府に没収され、不満を言ったり、逃亡を図ったりすれば、本人が罰せられるだけでなく、北朝鮮に残る家族にも危害が及ぶ可能性があります。搾取と脅迫、暴力による奴隷のような労働実態が、北朝鮮の統治資金を支えているのです。

今回の特集では、3本のドキュメンタリーを通して、経済制裁を突破する独裁国家の裏側に迫ります。北朝鮮がなりふり構わず外貨獲得に奔走する背景には、核兵器と弾道ミサイルの高度な軍事技術を取得することで、国際社会におけるポジションを優位にしたいとの最高指導者の思惑があるのです。

 
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