台湾の行方全3本

知られざる日本と台湾の深い関係

日本と友好的な関係を築いている台湾は、東日本大震災などの災害時に、他国に先駆けて支援の手を差し伸べてくれました。また、経済や産業でのつながりも深く、親近感を覚える人は少なくないでしょう。日本と文化が似ていて、明るく自由なイメージが強い台湾ですが、民主化が始まったのは20世紀後半のこと。戦後、長期にわたって国民党の一党独裁による民衆弾圧がありました。その歴史を振り返ると、現代台湾人の精神的ルーツや、日本や日本人との密接な関係が見えてきます。

「一国両制」のジレンマの中で

日本の敗戦後すぐに、中国では共闘していた国民党と共産党の内戦が勃発しました。劣勢の国民党は大陸の領土を徐々に失い、台湾島に政府を置きました。現在も北京の共産党政府と対峙しています。両政府はともに、自らが中国唯一の正統政府であると主張。「一国両制」の状態が続いています。現代台湾の歴史は、共産主義に対抗し続けた国民党の歴史がメインストリーム。しかしそれは、主に大陸にルーツを持つ者たちの歴史なのです。

民主化と共に芽生えた民族主義

もともと台湾島に居住していた土着の民族や、日本統治時代に移り住んだ人たちは、国民党の支配下でさまざまな弾圧を受けました。特に高等教育を受けた、いわゆるエリート階層が標的になりました。高学歴者の多くが共産主義に染まる傾向があったためと言われています。民主化が進んだ今、台湾民族としての自治権を尊重する民族主義の台頭も見られるようになりました。2014年には台湾の独立自主を訴える学生のデモ隊が立法院議場を占拠。のちに政党「時代力量」として支持を集め、台湾政治の第三勢力となっています。

隣国・日本と歩む近現代史

日本統治時代から現在まで、日本人と台湾はさまざまなルートでつながっています。戦前に開拓民として入植し、終戦時までは同じ日本国民でした。台湾で生まれ育った日本人は約20万人。戦後も歴史の舞台裏で台湾を支えた旧軍人がいました。彼らにとって台湾は故郷でもあります。台湾に生きた日本人と同じく、多くの台湾人もまた日本で暮らし、学びました。現代の台湾を語る上で、日本は切り離すことができない、重要な存在といえるでしょう。

 
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