新疆からの訴え全3本

ジェノサイド(虐殺)と認定されるウイグル族への弾圧

中央アジアのカザフスタン国境に位置する新疆ウイグル自治区。1950年代から漢族の流入が始まり、主要民族だったウイグル族との間で衝突が起こるようになりました。2009年にウルムチで起きた騒乱をきっかけに、自治区当局と中央政府はウイグル族を分裂主義者として糾弾。2014年に起きた爆破テロ事件後はウイグル族への締め付けをさらに強化。ウイグル族のムスリムたちを次々と強制収容所に収監していきました。街中の至る所に監視カメラが設置され、モスクで祈りを捧げただけでも収容所に連行されるほどの監視社会。収容所は中国共産党の思想に染めるための再教育施設。虐待や拷問も度々行われています。女性には不妊手術を強制するなどの行為は、欧米諸国でジェノサイド(集団虐殺)と認定されています。

大量に流入する漢族は、民族抹殺への布石

漢族の流入が始まるまでは、自治区内ではウイグル族が75%と大多数を占めていましたが、2015年にはその比率が47%にまで減少。中央政府がウイグル族を支配するために国策として漢族を移住させた結果だといわれています。中国が目指す経済圏構想「一帯一路」において新疆ウイグル自治区は要となる場所。共産党一党支配の邪魔になるような勢力を排除するのが狙いという見方もあります。過去にムスリムが蜂起して独立した経験を持つウイグル族は、政府にとって危険分子。宗教的思想とともに民族としても根絶やしにするような弾圧を続けることで、自治区を漢族が掌握し、安定的な国家運営を行おうとしていると非難されても仕方がない現状です。

人権と文化への侵略の実態が次々と明るみに

ウイグル族への弾圧は、中国政府の報道統制もあって情報が少ないのが実情です。近年ようやくその実態が明らかになり、国際社会に衝撃を与えています。自治区内に500カ所以上あるとされる強制収容所では、現在150万人のウイグル族を収容。中国政府は、これらの施設を「職業技能教育訓練センター」であるとして存在を正当化しています。また、夫が強制収容所に入れられて妻や子どもだけが残ったウイグル族の家庭に、共産党員である漢民族の男性を送り込む「PUBF」という制度も明らかになってきました。面識すらない間柄なのに「親族」と呼ばせ、疑似的な「家族生活」を送らせます。ウイグル族の女性や子どもたちに「中国人として」の正しい思想や振る舞いを身につけさせることが目的なのです。

 
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