路地裏のシンガーたち全3本

音楽とともにある人々の暮らし

私たちの日常には、たくさんの音楽があふれています。テレビやラジオから流れるポップスやクラシックはもちろん、駅のホームで流れるメロディも音楽です。世界中のあらゆる国で多様な音楽が奏でられ、歌われています。音楽の中でも、楽器を使わず人間の声だけで表現できるのが歌です。歌はときに、人に夢や希望をもたらし、思いを訴える力となり、民族に誇りを与えます。アジア各国の歌を取り巻く状況から、人々の暮らしや民族性を感じられる3つの作品を集めました。

合唱がもたらす社会性は、世代も民族も超える

合唱は、有史以前から存在していたといわれています。踊りと共に人類に愛されてきた合唱は、集団の結束を高めたり、意思統一を促したり、仲間同士の結びつきを強め、社会を維持するためにも役立ってきました。世代や性別、人種を問わず、人が集って歌うことから生まれるパワーは、身分や階級などと無関係。誰もが笑顔になれる合唱の力は、コミュニティ参加への文化的な入り口としても効果が高く、合唱を通じて人生に希望を見出す人も少なくありません。

メッセージに社会への不満を込めて歌う若者たち

いつの時代でも、歌は世相を映す鏡となります。インドネシアでパンクロックに傾倒する若者たちの多くは、社会への不満や不条理を歌詞というメッセージに託し、大衆に訴えかけることで自身の存在価値を見つけ出しています。それは時に、為政者への怒りとなって大きなうねりに発展し、権力者たちと対峙することもあります。音楽と共にファッションでも自己主張する彼らは、偏見や差別に耐えながら、魂のメッセージを発信し続けています。

音楽が民族の誇り

民族の誇りである伝統音楽を守ることは、古来の慣習も引きずることになりがちです。とりわけ宗教や儀式などと密接に関わる音楽では、年齢や性別、出生地、人種などによる、現代社会とは相容れない区別がなされることも多くあります。その区別に抗うことは、時として民族のタブーに触れることにもなりかねません。伝統的価値観の中で認められ、新しい世界を築くためには、強い信念を持ち続けることも必要です。ジェンダー平等の現代に、民族音楽はどう変わっていくのでしょうか。
 
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