現代中国の情景全28本

覇権主義的な行動をますます強める中国

今年は、中国政府が民主化を求める学生らを武力弾圧した「六四天安門事件」から33年。日中国交正常化から50年を迎えます。日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となった中国は、しかしながら香港の民主活動への徹底的な弾圧ぶりからもわかるように、33年前から政権の体質は何も変わっていません。むしろ覇権主義的な行動をますます強め、南シナ海の領有権を巡る争いや台湾との緊張関係の高まりなど、日本周辺でも軍事活動を活発化させ、安全保障上の大きな懸念になっています。さらに、人権問題などでも、アメリカをはじめ民主主義国との間で深刻な軋轢が生じており、「新冷戦」とさえ呼ばれるようになりました。

私たちの社会は中国なしでは成り立たないという現実

一方で、私たちは経済的に中国に依存する生活を余儀なくされています。2000 年以降の中国の発展は目覚ましく、「世界の工場」の地位を確立した後、「世界の市場」としても揺るぎない存在になりました。特に日本では、輸入品目の23%を中国に依存している実態があり、中国依存度は欧米よりも高いのです。私たち日本人が意識する以上に、私たちの社会は中国なしでは成り立たないという現実があります。しかし、中国との複雑かつ深い関係がありながら、日本人の多くが中国社会の実情や国民の思い、考えについて知りません。また、知ることができる機会も決して多いとはいえません。そこで、現代中国を知るための手がかりの一つとされているのがドキュメンタリー映画です。

ドキュメンタリー映画で垣間見るリアルな現代中国の情景

現在、中国共産党は「習近平新時代中国特色社会主義思想」、いわゆる「習近平思想」を掲げ、「社会主義の核心的価値観」を定めています。こうした価値観を紐解くことで、中国ならではの「正しい価値観」を知ることができます。国家建設の目標としての「富強・民主・文明・和諧」や、社会の構築理念としての「自由・平等・公正・法治」、国民の道徳規範としての「愛国・敬業・誠信・友善」といった価値観です。また、個人の権利や社会の安定に対する認識なども、日本とは大きく異なります。特集「現代中国の情景」では、こうした価値観のなかで、中国社会の実像を垣間見ることができる28作品のドキュメンタリー映画をお届けします。そこには、リアルな現代中国の情景が広がっているのです。

 
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