戦場カメラマン全2本

「戦場カメラマン」の生きざま、死にざま 

「戦場カメラマン」という本があります。ベトナム戦争に従軍した報道カメラマン石川文洋さんの著書です。石川さんは、常に部隊とともに行動しながら、戦闘時も、非戦闘時も、最前線の兵士のありのままの姿、彼らの生きざま、そして死にざまを、一兵卒の視点から淡々ととらえています。その後、石川さんは、カンボジアやアフガニスタンなどの戦場、そして沖縄の写真にも情熱を傾けていきます。

同じくベトナム戦争に従軍した報道カメラマンで、銃弾を避けながら河を渡ろうとする母子の姿を撮影した「安全への逃避」という写真でピューリッツア賞を受賞した沢田教一さんは、その後、戦火をくぐって村を再訪問し、受賞した写真と賞金の一部を届けました。沢田さんは1970年に戦乱が広がったカンボジアで何者かに狙撃され、34歳という若さでこの世を去りました。「戦争が終わったら、ベトナムの農村を南から北までゆっくり歩きたい」。彼が遺した言葉に、ベトナムへの思いがにじみます。 
 

ベトナム戦争から見えてくるもの

アジアンドキュメンタリーズでは、ベトナムに従軍した石川文洋さんと、沢田教一さん、それぞれを描いたドキュメンタリー映画を配信し、ふたりの戦場カメラマンの思いを、あらためて現代に伝え、考えていただく機会をつくりたいと考えました。

ベトナム戦争を振り返り、その事実を見つめなおすことは、国際政治の駆け引きや、国家の本質を知るために大変重要なことです。当時の情勢を俯瞰し、歴史を学ぶと同時に、最前線の死線をさまよう人間の思いを知ることで、戦争とは何かという問いに、自分なりの答えが見えてくるのではないでしょうか。  

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