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難民の通る村で

【日本初公開作品】
原題:The Good Postman
2016年製作/作品時間82分
撮影地:ブルガリア
製作国:フィンランド、ブルガリア
 
トルコとの国境近くにあるブルガリアの小さな村で、村長選挙が行われた。郵便配達夫で国境監視員のイヴァンは、村の活性化のためにシリア難民定住化を公約として村人を説いて回る。対するは、無策だが家族や縁者の組織票を持つ現職のヴェサと、共産主義回帰とシリア人排斥を訴えるハラチェフ。有権者数はわずか数十人、高齢者ばかりの村で論戦が繰り広げられた。選挙後、イヴァンが難民救済のためにとった行動が、その後に起きた一つの悲劇と重なり合う。ブルガリアは共産主義体制の崩壊後、極端に経済が縮小した。この作品は、若者がいなくなった過疎の村で、地域の存亡を危ぶむ住民たちを追ったドキュメンタリーだ。
 
監督: トニスラフ・フリストフ  
プロデューサー: カールレ・アホ、カイ・ヌールドベリ  
編集: ニコライ・ハルトマン、トニスラフ・フリストフ  
撮影: オーリン・ルエフスキ  
音楽: ペータル・ダンダコフ
 
◆豊かな国への「通り道」として難民が殺到◆
移民、難民にとってブルガリアはギリシャと並んで、ドイツやスウェーデンへの「通り道」となっています。シリア内戦とISISによるシリア侵略以降、大量の移民、難民が押し寄せていました。2015年には、トルコからの流入を防ぐ目的で国境フェンスを強化。密入国しようとしたアフガニスタン難民をブルガリア国境警備隊が射殺するという事件が起きました。1989年以降、ソ連やユーゴスラビアの崩壊により貿易が減少。経済改革の遅れもあって、ブルガリア経済は大幅に悪化しました。こうした中、出生率は1.2まで減少。さらに旧西側諸国への移動が可能になり、人口流出が加速。ブルガリアは、最も急速に人口減少が進む国といわれています。

[予告編]
 
(映画賞/映画祭)
2017年 タンペレ映画祭(フィンランド) 特別賞
2017年 FIFDH国際コンペティション(フランス) 青年審査員賞
2017年 ローワーシレジアグランプリ(ポーランド・ヴロツワフ)
2017年 東ヨーロッパ映画祭(ペルー・リマ)最優秀長編ドキュメンタリー賞
2017年 上海国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
2017年 バレッタ映画祭(マルタ共和国)最優秀長編ドキュメンタリー賞
2017年 ブルガス国際映画祭(ブルガリア)最優秀長編ドキュメンタリー賞
2017年 トリエステ映画祭(イタリア)バルカン半島とコーカサス観測所賞

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