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潜水日誌

【日本初公開作品】
原題:Logbook
2018年製作/作品時間98分
撮影地:韓国
製作国:韓国
 
セウォル号沈没事故が発生した当時、ニュースの第一報が伝えたのは「全員救出」。しかしそれは全くの嘘で、船長と乗組員は一人も救出せずに脱出していた。事故後、韓国全土から潜水士が集まり、292人の遺体を回収。この作品は彼らの潜水日誌や証言をベースに救助活動の現実を描き、潜水士や遺族の苦悩、悲しみを克明に記録したものだ。潜水士たちが現場に到着した時、何百隻もの船が海上にいたが、指揮系統がなく命令も下らない。彼らは自分たちで話し合い、計画を立てて救助活動を始めた。視界が悪く潮流は速い、命の危険と引き換えに続く救出作業。ついには仲間のダイバーにも犠牲者が出た。しかし彼らは活動を止めることはなかった。犠牲者と遺族のために捧げた、信念の80日間だ。
 
監督・製作:ボク・ジノ
 
◆プロ意識の欠如が招いた惨事に立ち向かう、潜水のプロたち◆
セウォル号沈没事故は、皮肉にも「国民の安全」を国政目標に掲げていた朴槿恵(パク・クネ)政権時に起きました。政府当局者は、「沈没直後には乗客のほとんどが救助されるものと甘く判断し、船内で積極的に救助活動を行おうとはしなかった」(朝鮮日報)と報じられるほど、事態を楽観視。駆け付けた海洋警察も「非常口の内側に生徒がたくさん残っていると話したが、眺めているだけだった」(生存者の証言)と、状況把握さえできない状況でした。船内放送では「じっとしていろ」と繰り返し、船外では救助活動を怠る。未曽有の惨事は、プロ意識の欠如によって被害が拡大したといえます。沈没後の救助活動においても、政府は潜水士たちの努力を無視。帰らぬ我が子を待ち続けたまま捜索を打ち切られた遺族もいました。

[予告編]
 
(映画賞/映画祭)
2019年 ソウル独立ドキュメンタリー映画祭
2018年 DMZ国際ドキュメンタリー映画祭(韓国) 特別賞

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