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フィリピーナ 海を越えて

【日本初公開作品】
原題:Overseas
2019年製作/作品時間87分
撮影地:フィリピン
製作国:ベルギー、フランス
 
フィリピンの家政婦訓練所で学ぶ訓練生たちの、不安や悩みに迫ったドキュメンタリー。派遣先の雇用主や家族に嫌がらせやセクハラを受け、早朝から深夜まで休みなく仕事を言いつけられる。食事は立ったまま食べ、トイレに行く暇もない。訓練生のほとんどが、過去の派遣先で奴隷同然に扱われてきた。それでも彼女たちは再び仕事を求めて海を渡る。フィリピンにいても仕事がなく、義親になじられるだけなのだ。それぞれの辛い出来事を告白し、悩みを共有して励まし合う。契約期間中は我が子に会えなくなることも承知で“稼ぎ”に出る女たちの幸せはどこにあるのか。揺れ動く心模様が克明に伝わる作品だ。
 
監督:ユン・ソンア  
撮影:トーマス・シーラ  
音響効果: クインテン・ヴァン・ラーテム  
編集:ディーター・ディーペンダーレ  
製作:アザベル・トゥルク、クエンティン・ローラン、ハンネ・フィリポ
 
◆家政婦は貴重な外貨獲得手段◆
フィリピン国内には家政婦養成学校がいくつもあります。卒業した者は医者や弁護士と同じ国家資格が与えられプロの家政婦として認定。資格を得れば、欧米や中東、香港、上海などで家政婦として働くことができます。彼女たちは、フィリピンに大量の外貨をもたらす貴重な労働力。その額はフィリピンのGDPの約10%とも言われています。GDP成長率は近年6~7%程度と高い水準ですが、それでも国内産業の成熟が労働人口の増加に追いつかず、雇用状況の改善は進んでいません。「世界一の家政婦先進国」と呼ばれる背景には、国内の労働力の需給ギャップも要因としてあるのです。

[予告編]
 
(映画賞)
アンジェ映画祭 (2020) 最優秀監督賞
ハンプトンズ国際映画祭 (2019)最優秀ドキュメンタリー賞
アトランタ映画祭 (2020)長編ドキュメンタリー審査員賞受賞
DOXA ドキュメンタリー映画祭 (2020)長編ドキュメンタリー賞受賞
 
(映画祭)
アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭
カムデン国際映画祭
テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭
釜山国際映画祭
ロカルノ国際映画祭
ミンクス国際映画祭
DocPoint映画祭
モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭  他多数

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