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遥かなる乳母の記憶

【日本初公開作品】
原題:They Call Me Babu
2019年製作/作品時間80分
撮影地:インドネシア、オランダ
製作国:オランダ
 
オランダ植民地時代のインドネシアで乳母として働いたアリマの半生を、アーカイブ映像で構成し、綴った作品。母を亡くした後、逃げるようにバンドンの街に出たアリマは、そこでオランダ人家族の乳母として働くことになった。生まれて間もない男児・ヤンチェに付きっきりで世話をしながら、オランダ語を学ぶ。一家の一時帰国に付き添い、オランダに渡り見聞を広める中で、祖国インドネシアの主権や自由について考えた。インドネシアは日本が解放した後に独立するも、オランダ軍が再び上陸。戦争から独立へのうねりの中で、アリマの視点で女性の自立や民族の主権について問題提起したドキュメンタリーだ。
 
監督・脚本: サンドラ・ベーレンズ  
プロデューサー: ピーター・ファンハイステー  
編集: ルベン・ファンデルハーメン  
音楽: アレックス・シム
 
◆約350年続いた支配からの独立◆
オランダによるインドネシア進出は1596年に始まり、交易の利益を独占した植民地経営の時代、オランダ政府による直轄時代と続き、アチェ王国などオランダに抵抗する勢力との戦いもありながら、イギリスと日本が支配する一時期も含めると約350年にわたり植民地支配の歴史が続きました。オランダは、政府栽培制度を導入し、農民に安い賃金でコーヒーやサトウキビ、藍、タバコなどを栽培させ、海外で販売して莫大な富を独占しました。オランダ人の家族は、インドネシアの乳母や家政婦、使用人のことを「バブ」と呼び、彼女たちが本当の名前で呼ばれることはありませんでした。日本の敗戦直後、初代大統領のスカルノと副大統領のハッタの両氏によりインドネシアの独立宣言が行われましたが、その後オランダはインドネシアを再び支配しようと軍隊を派遣します。激しい独立戦争を経て、インドネシアが主権を手にしたのは1949年のことでした。

[予告編]
 
(映画賞/映画祭)
IDFA (国際ドキュメンタリー映画祭:アムステルダム)
FIPADOC (国際ドキュメンタリー映画祭:ビアリッツ)
テッサロニキ ドキュメンタリー映画祭
シドニー映画祭
2020 フォーカル アワード
国際ドキュメンタリー映画祭ミュンヘン
オランダ映画祭 ゴールデン カーフ(最優秀ドキュメンタリー映画賞)

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