特集「短編集 生きる営み」(全5本)

◆生きるために「働く」ということ
人が住む所には仕事や暮らしがあり、誰もがさまざまな思いを持って生きています。生きていくために働き、食糧や金銭を得る。人類の歴史の中でずっと続いてきた営みです。アジアは開発途上国が多く、一次産業や単純労働に従事する人の比率が高い地域。低賃金で長時間労働をせざるを得ない人々も多くいます。未来の希望を描く余裕もなく、雇用者に搾取される労働者たち。映像作品がとらえた厳しい現実の世界から、働くことの意味を考えてみてはいかがでしょうか。
 
◆豊かさを求めたにある大きな犠牲
低所得から脱却するために、新しい事業に取り組む人もいます。そして誰かが成功すると、追随する者が次々と現れ、ときに産業地帯を形成します。古くは農業や伝統工芸にこの傾向が見られ、現代でもシリコンバレーのような大規模な産業集積地がつくられることがあります。途上国では、危険を伴う仕事であっても高収入が得られればいいという風潮が強く、環境破壊や健康被害のリスクを負ってでも所得を増やしたいという事業家が生まれやすい状況です。
 
◆暮らしの延長線上に生まれる文化
民族や地域の文化は、地理的条件や気候、信仰などによってつくられます。日々の暮らしの積み重ねが次第に独自性を生み、自身のアイデンティティーとなって子孫へと伝承されてきました。神仏や精霊に従い、仲間を敬い暮らしてゆく。人々の営みが独自の文化を形づくります。制作者のコンセプトが明瞭なワンイシューのショートドキュメンタリーだからこそ、その営みの面白さがストレートに伝わってき

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