特集「性の悩み」(全3本)

◆タブー視されてきた「性」に向き合う
人間の営みでありながら、多くの国や地域でオープンに語ることができなかったテーマが「性」です。愛とセックスは両立するものであるにもかかわらず、公の場で語ることができるのは、ほとんどが前者。セックスの話題は「秘めごと」「神の領域」「聖なるもの」として日常生活から遠ざけたり、「猥褻」「不謹慎」とレッテルを貼って目につかないように蓋をしたりと、タブー視してきました。しかし近年は、性を取り巻く環境が大きく変化。私たちの意識も変わりつつあります。友人との会話では扱いづらく、家族間でも意識的に避けられやすい性やセクシュアリティを題材にしたドキュメンタリー作品を用意しました。
 
◆必ずしも禁欲だけではない、宗教と性の関係
宗教には、いつでも生殖本能が湧く人間を制御する役割があるといわれていますが、アプローチの方法はさまざまです。禁欲的な戒律により性欲をコントロールしようとする宗教もあれば、積極的に性を謳歌する宗教もあります。禁忌か奔放か、セックスを原罪ととらえるか善なるものととらえるか、宗教の原典により変わってきます。宗教には敬虔な信者がいる一方で、世俗的な信者も多く存在します。禁欲を求める宗教であっても世俗化が進むにつれて、信者の思考や行動、価値観が変わりつつあるのです。
 
◆女性の権利と安全を脅かす旧来型の価値観
フェミニズムが広がり女性の地位向上や権利保護が進む現在でも、依然として大きな問題を抱えているのが性の分野です。望まぬ結婚を強要されたりレイプや虐待などの被害に遭ったりという報告が後を絶ちません。背景にあるのは家父長制度に代表される男性優位の価値観や社会構造です。ジェンダー平等が叫ばれる中でも続いている女性蔑視と人権侵害。その現実から目を逸らさず、真に平等な社会を築くために私たちにできることは何か。まずは女性の苦しみを理解することが出発点ではないでしょうか。

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