特集「走る!」(全3本)
◆走らなくても生きていけるのに、人はなぜ走るのか
走ることは、野生動物にとっては生存手段のひとつ。生息地域や地形によって異なりますが、敵から逃げたり獲物を捕えたりするには、速く走ることが必要。体型、筋力、心肺機能はそのために備わっている動物本来の能力なのです。一方で人間は、走る能力が生命の維持に直結していません。生きる上で走力を上げる必然性はなく、走らなくても一定レベルの日常生活を維持していると考えられています。しかしそれでも、走る人がいます。私たちにとって走るという行動はどんな意味や価値があるのか、ランニングを通して見えてくる世界を、カメラが捉えました。
走ることは、野生動物にとっては生存手段のひとつ。生息地域や地形によって異なりますが、敵から逃げたり獲物を捕えたりするには、速く走ることが必要。体型、筋力、心肺機能はそのために備わっている動物本来の能力なのです。一方で人間は、走る能力が生命の維持に直結していません。生きる上で走力を上げる必然性はなく、走らなくても一定レベルの日常生活を維持していると考えられています。しかしそれでも、走る人がいます。私たちにとって走るという行動はどんな意味や価値があるのか、ランニングを通して見えてくる世界を、カメラが捉えました。
◆ランニングが身体と精神にもたらす恩恵
ランニングは、誰でも簡単に取り入れられる運動のひとつです。年齢を問わずに挑戦でき、球技のように技術レベルを問われることはなく、達成感を得やすいスポーツと言われています。また、運動効果以外にも、脳や心によい影響を及ぼすというメリットもあります。ストレスやうつ病の多くは、他者と自分とを比較することで発生しますが、多くのランナーは他人との比較ではなく、過去の自分を超えようとして走っています。ランニングを活用して、引きこもりやうつからの回復をサポートし、効果を上げているプロジェクトも存在します。自己承認、自己実現のために最も取り組みやすいのがランニングなのです。
◆限界にチャレンジするウルトラマラソン
フルマラソンの距離が42.195kmに統一されたのは1924年のパリ五輪から。それ以上の距離を走る「ウルトラマラソン」も歴史は古く、最古の大会は南アフリカで1921年に始まったコムレッズマラソン(89km)と言われています。ウルトラマラソンには一定の距離を走るものの他、24時間走や48時間走など、一定時間内に走った距離を競うものがあります。世界最長のウルトラマラソンは3100マイル(49989km)を52日間かけて走破するもの。環境がハードなウルトラマラソンでは、北極海や南極大陸、砂漠や雪山をコースにした大会もあり、「自分の限界を突破したい」という願望を持つランナーが参加しています。
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