特集「大泥棒たち」(全3本)

◆富の偏在と格差から生まれた泥棒たち
経済、地域、教育……私たちが暮らす社会には、さまざまな格差が存在します。また自由主義経済の中では、格差が拡大することはあっても解消することはありません。一握りの富める者たちが貧困者から搾取するという社会構造は、国や地域を超えて世界中に広がっています。格差に負けまいと成功を目指す者もいれば、法網をくぐり抜けてでも生きようともがく者もいます。今月の特集は後者の、犯罪に手を染めてしまった、あるいはグレーゾーンの中で人助けをする「大泥棒」をクローズアップしました。
 
◆利益を独占する巨大な資本に抗うために
開発者や発明者の権利は守られるべきもので、そのために特許が存在します。企業活動は利益を生み出すことが目的ですが、一方で人命の尊重や社会の繁栄に貢献することも企業の責務です。利潤の追求のために法外な開発者利益を得ている企業の反対側には、高額な支払いができず開発の恩恵を受けられない人々がいるのです。ビジネスと表裏一体の関係にある社会貢献を蔑ろにする企業に、私たちはどう抗っていけばいいのでしょうか。あきらめず、生き延びていくための手段を探り続けることが大切です。
 
◆「盗まなければならない」社会は変わるのか
いかなる大義名分があろうとも、窃盗は犯罪です。それでもなぜ、盗むのか。そこには弱者を見捨てる社会への不満が見え隠れしています。貧困層になると、公共インフラのサービスからも取り残される人々がいます。“弱者救済”のために行う窃盗であっても、擁護の余地はありませんが、「盗まなければ生きていけない社会」が存在していることも事実です。私たちの意識と行動を変え、社会の格差を解消していく必要があります。

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