特集「電力を求めて」(全3本)

◆2050年まで需要が増え続ける世界の電力
2023年の国際エネルギー機関(IEA)年次報告書によると、世界の総エネルギー需要は2050年にかけて増加し続け、電力に限って言えば2050年には現在のレベルから80%〜150%も高くなると予測され「エネルギー危機」が近いと言われています。需要源は、主に東南アジアとアフリカです。石炭、石油、天然ガスといった主要化石燃料の供給は2030年までにピークアウトし、その後は再生可能エネルギーや原子力が主役に。数十年にわたってエネルギー供給のおよそ8割を占めてきた化石燃料の時代が終わろうとしています。
 
◆再生可能エネルギーの可能性と原発の復活
エネルギー危機への対応は、再生可能エネルギーへの移行がよく知られていますが、エネルギー安全保障上のリスクとのバランスが欠かせません。最大の発電源は今もって化石燃料。世界の発電量の36%を占める石炭です。再生可能エネルギーは30%を供給していますが、2030年までに50%近くに上昇する見通しです。原子力発電は水力に次ぐ世界第2位の低排出電源。ここ10年間は導入が停滞していましたが、エネルギー事情や政策の変化により、原子力復活の機会が生まれつつあります。
 
◆電気のない暮らしを送る人々は6億人以上
紀元前に静電気に気づき、18世紀には電池を発明した人類。以後、電気は私たちの暮らしに必要不可欠なものとなりました。もはや電気なしの生活は考えられません。しかし、世界に目を向けると、いまだに電気のない地域も存在します。電気を利用できない人口は、2023年の時点で6億7500万人。そのうちおよそ8割はアフリカの貧困層と言われています。また、電線が敷設されていても供給が不安定だったり、料金が払えなかったりといった事情で電気を使えない人々も存在します。誰もが不自由なく電気を使える時代は訪れるのでしょうか。

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