特集「アフガニスタンのいま」(全2本)

◆米軍撤退から3年 アフガニスタンの今を知る
アフガニスタンから米軍が撤退して3年が過ぎました。この間にロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとハマスの戦闘など、世界情勢は大きく動いています。米軍撤退後のアフガニスタンはタリバンの支配下にありますが、同国内では過激派組織ISの地域組織も活発な動きを見せており、2024年3月にロシアで140人が犠牲になったテロ事件に関与したことが指摘されています。タリバン復権後のアフガニスタンは変われるのか、それとも再びテロリストの温床となるのか。タリバン支配下のアフガニスタンを収めた映像作品から、何が見えるでしょうか。
 
◆女性の権利をめぐって国際社会に反発
タリバンが20年ぶりに復権した2021年8月。ムジャヒド報道官は、諸外国との平和的な関係を望むことを表明。女性が仕事や勉学に励むことを認め、「イスラム教の枠組みの中で女性の権利を尊重する」と表明。かつて女性の就労を禁止し、学校に行くことも禁止していた時よりも姿勢を軟化させたことを強調しました。しかし現在、女性は小学校までしか通えないほか、国連やNGOなどで働くことも禁止。教育や就労の制限は存在しています。国際社会は女性の人権状況の改善を求めていますが、タリバンは国内問題であると反論。国連担当者の入国を認めないなど、強硬な姿勢を見せています。
 
◆経済も医療も生活インフラも危機的状況
2023年の赤十字国際委員会の報告によると、アフガニスタンで人道支援を必要としているのは、人口の半数以上の55%。悲惨な経済状況だったところに経済制裁が追い打ちをかけ、労働の機会がない一方で物価高騰が続き、国民の購買力が著しく低下しています。また、医療の面でも大きな懸念があります。長期にわたる紛争と経済危機により、医療インフラは脆弱なまま。一般家庭では水や電気などの生活インフラへの不安も高まっています。戦闘は減少しているものの、国民が危機的状況にあるという事実は変わっていません。

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