特集「ダンスの輝き」(全3本)
◆人間らしさの原点であり人類普遍のパフォーマンス
音楽に合わせて踊ることは、人間らしさの原点であり、さまざまな文化の出発点でもあります。自己表現の手段として、あるいは他者と共鳴、協調したり、社会集団への帰属を示したりと、コミュニケーション手段としての機能も持っています。人類にとって普遍的なパフォーマンスありながら、その芸術表現は国や地域、民族によって異なり、また時代とともに変化を遂げてきました。ダンスは、誰でも体一つでできる自己表現であり、歴史、文化、芸術、平和の統合でもあります。自己の生き方をダンスに込めるパフォーマーもいるでしょう。人はなぜ踊るのか、その答えを探してみませんか。
◆複雑に絡み合う宗教とダンスの関係
ダンスは文化芸術だけでなく、信仰とも密接な関わりを持っています。日本の神楽や盆踊りは神仏や先祖への崇拝が踊りに昇華したもの。インドやアフリカでも祭礼と舞踊は切り離せないものとして継承されてきました。一方で、娯楽性が高いもの、性的なアピールが強いと思われるものなど、ダンスの内容によっては宗教的に容認できないとして、否定される場合もあります。一口にダンスと言っても、価値観によって受け入れられたり排除されたりといったことが現実に起きているのです。
◆究極の肉体表現が生み出す一体感と世界観
ダンスには人々を結びつける力があり、ダンスイベントや路上パフォーマンスなどに集う人々には、独特の一体感が生まれます。それはある種の共同体意識とも言えるでしょう。また、世代や職業を超えたコミュニケーションツールとして、パフォーマー同士やパフォーマーとオーディエンスの交流を促し、新たなコミュニティーを形成することができます。踊るという行為によって分かち合える世界に、言葉は不要です。肉体が示す最もシンプルで究極的な表現であるダンスに魅せられた者たちの、等身大の映像作品がここにあります。
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