特集「俺たちの居場所」(全4本)
◆「苦しみに耐える」以外の生き方がある
世の中には、社会にうまく馴染めない人、自分の目的が見つからない人がたくさんいます。かつてドロップアウトすることは、自分の居場所がなくなることでしたが、グローバル化と多様化が進んだ現代は、自分探しをすることにネガティブなイメージはありません。人間には危険を察知する力があります。貧困やハラスメント、ストレスなどに苦しみ、耐えながら今を生きるくらいなら、新しい世界へ逃げ出して再びチャレンジしてもいいのです。集団から離れることへの恐怖感や孤独感を持つ人もいるでしょう。しかし、一歩踏み出せば、それまでにはなかった新しい出会いや経験が待っています。苦しみからの逃避は、自分の未来を切り開くことでもあるのです。
◆アクションを起こすことで自分らしさを見つける
新しい世界に飛び込むことだけが居場所作りではありません。ありふれた日常でも、自分から何かアクションを起こすことで、目の前の景色が変わって見えることがあります。行動することで新しい結果を得られ、経験が増え知見が広がる。たとえ未知の領域であっても、積極的に関われば、自分に合うのか合わないのかも体感で知ることができます。そして、自分にフィットすると思えば、その場に留まってみるのもいいでしょう。立ち止まることで周囲の支えに気づき、自分自身の生きがいを見つけられるかもしれません。思いを遂げた先には、何が見えるのでしょうか。
◆自分のための居場所が誰かの支えになる
私たち人間には社会性があり、決して一人では生きられません。誰かと関わりながら、日々暮らしているのです。たとえ社会のシステムから弾き出されていても、実生活では多くの人に支えられています。居場所を持つということは、他の誰かとの接点を持つことでもあります。そしてその居場所は、自分と同様に苦しみ悩んできた人たちにとっても居心地のいい場所になるでしょう。逃げ出したいと思った誰かを、自分の居場所が救うこともあるのです。人を救おうという使命感に駆られる必要はなくとも、自分のための空間を築くことはいつか誰かのためになるのかもしれません。
お気に入り登録数:0