
特集「サイバー攻撃」(全3本)
◆世界的に増加の一途をたどるサイバー攻撃
世界中で増加を続けるサイバー攻撃。総務省の「情報通信白書」によると、2023年のサイバー攻撃関連の情報通信量は過去最高で、2015年の9.8倍にまで増加しています。IoTデバイスを狙った攻撃が多く、近年はランサムウェアによるサイバー攻撃被害も増えています。ランサムウェアはその多くが企業や医療機関等をターゲットにしたもので、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。トレンドマイクロ社が過去3年間に遡って調査した結果、サイバー攻撃の被害を経験した法人組織の累計被害額の平均は、1億2528万円にも上ります。
◆さまざまな目的で暗躍する犯罪グループ
サイバー攻撃の実行犯にはさまざまなタイプが存在します。政府機関の防衛機密や重要インフラへの攻撃は、主に特定の国家がスパイ活動の目的で支援するハッカー集団によるもの。単純に金銭目的で活動するサイバー犯罪者や、自分の技術力を誇示したいという愉快犯、政治主張や社会正義を訴えるためにハッキングを行う“ハクティビスト”などのほか、組織内部の機密情報を意図的または過失によって流出させる内部関係者も実行犯に含まれます。動機や目的はさまざまですが、インターネットやデジタル機器を利用してターゲットに損害を与えるとことは明確な犯罪行為です。
◆情報取流出だけでなく社会の混乱も引き起こす
特定の国家が地政学的、経済的、または軍事的な目的を達成するために、高度なサイバー攻撃を行うことがあります。長期間にわたる計画の下に、通常のサイバー犯罪よりも高度な技術力を駆使して、ターゲットのシステムに潜伏することが多く、情報収集・操作や軍事的優位性の確保など、目的はさまざまです。ウクライナ紛争でも、ロシアによるサイバー攻撃で重要インフラや政府機関が標的となったと報告されています。また、2016年の米国大統領選挙ではロシアがソーシャルメディアを利用して偽情報を拡散し、分断を煽って米社会の不安定化を狙ったと指摘する専門家もいます。
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