特集「2025年 視聴率ベスト20」(全21本)
2025年のアジアンドキュメンタリーズ配信作品から視聴率上位20作を発表します。ランキングを通して、この1年がどんな年だったのかも振り返ってみしょう。
◆世界規模で広がる紛争・分断・危機
1位は2年連続で『ガザ 自由への闘い』。停戦後もイスラエルの爆撃が続くパレスチナ・ガザ地区で、自由を求めて抗い続ける市民の行動を追った作品です。2位の『分断された台湾』は、民主主義の危機と、それに対する世代間の意識の違いという「分断」も描いています。3位は環境の危機的状況をとらえた『50℃で生きる』。気候変動がもはや「未来の課題」ではなく「今目の前にある現実」なのだということを訴える作品です。これらの作品がトップ3を占めているという事実は、視聴者が世界規模の危機や社会的な分断、そして人間の尊厳といったテーマに強い関心を寄せている証左といえるでしょう。
◆食と地域文化を通じて幸せの再定義を
今年のランキングで注目したいのは「路地裏キッチン」シリーズが3作もランクインしていること。これらの作品には、アジアの市場や屋台の熱気、匂い、騒音、そして必死に働く人々の息づかいまで感じられる映像があふれています。「食べることは、生きること」という原始的なパワー、昔の日本にもあった「ご近所付き合い」や「家族総出での食事作り」の風景など、便利さの果てに人間関係が希薄になった私たちに「人と人との温かいお節介や繋がり」の大切さを教えてくれます。アジアの貧困層の家庭には「雑多だが生命力に溢れた食卓」があります。その映像に触れることで、幸せの再定義をするのもいいでしょう。
◆根強い人気の2作品が訴えかけるもの
ランキングに入る作品の多くは2025年に配信を開始した作品ですが、1位『ガザ 自由への闘い』のように、2024年よりも前に配信を開始した作品が、他に2作ランクインしています。『結婚しない、できない私』は、結婚の意味を再考させると同時に、婚活の困難さや家族からのプレッシャーなどの現実が浮き彫りになった作品。『街角の盗電師』は、生きるために電気を盗む民衆と電力会社との攻防を通じ、インフラ問題と貧困の悪循環という地球規模の社会課題を描いています。両作に共通するのは、社会の常識や矛盾と戦いながら必死で生きる人たちの葛藤。国は違っても、抱えている問題は私たちと共通するものがあるのではないでしょうか。
ランクインした作品群から読み取れるのは、人々が地球規模の具体的な危機(戦争、環境破壊)と、その危機によって露呈する社会の不公平や格差に、強い関心を向けていたということ。 世界の「不都合な真実」から目を背けず、自分たちの良心と未来に関わる問題として、これらの作品と向き合のもいいでしょう。年末年始は一気見のチャンスです。まずはランクインした作品を視聴してみませんか?

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