最愛のひとへ全3本

心を突き刺すように伝わる、愛の表現

誰もがいつかはこの世を去ります。生の終わりに向き合うとき、やり残したことがないように、後悔しないように、準備しようと心がける人もいるでしょう。しかし、死は突然にやってきます。その時、最愛の人へ、あなたはどんな思いを伝えますか。愛の表現は、死を直前に控えた時、心を突き刺すように伝わってくるものではないでしょうか。

いつか必ず訪れる別れの日

長年連れ添い、一緒に生きてきた妻や夫の旅立ちは、どんな夫婦にとっても辛く悲しいものでしょう。しかし、別れの日はいつか必ず訪れます。一緒に歳を重ね、人生のハードルを乗り越えてきた妻や夫が、やはりいつまでも一番身近な存在で、運命共同体なのです。だからこそ、その時をどのように迎えるのか、あらためて夫婦の関係を振り返りながら、考えてみてはいかがでしょうか。

家族の死を考えることは、自らの生を考えること

自分はもちろん、パートナーや家族の死について考えることは、一方で生を考えることでもあります。家族は互いを支えあって生きています。損得なく、互いを気遣い助け合うことで感謝の思いや愛が育まれ、幸せを得ることができるのです。だからこそ、それぞれにとってどのような生き方が理想なのか、人生の最期に大切にしたいものは何かを知っておく必要があるでしょう。そして故人の遺志を受け継ぐことが、家族にとっての心の安らぎにもつながっていくのです。

自らの死に向き合う時、人は自分の価値をふりかえる

死を目前にした人々は、希望を失い、自らの存在意義さえも見失いがちになります。まるで自分が、壊れた時計のように役に立たないものと思い込んでしまいます。しかし、たとえ病で寝たきりになってしまったとしても、いきなり人間の価値が失われるわけではありません。その人の存在そのものに尊厳があり、価値があるからです。愛する妻や夫、また大切な家族が、そうした悲しみに直面した時こそ、感謝の思いや、愛情を伝えることが大切ではないでしょうか。やはり人は、互いに支えあって生きているのです。

今回の特集では、献身的に妻を看病する夫の思いを綴ったタイの作品や、亡くなった妻の「献体」という社会貢献に向き合う夫と家族の姿を記録した台湾の作品、そして認知症の妻と癌を患った夫、そのふたりを支える娘の様子を孫が自ら撮影した家族ドキュメンタリーの3作品をお届けします。


 
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