特集「抗う女性たち」(全3本)
◆理不尽な現実に、声を上げる女性たち
アジアでは、当然ながら、私たち日本とは全く異なる社会的価値や規範が存在し、為政者によって様々な自由が制限されたり、平和が危ぶまれたり、希望の見えにくい社会がもたらされてきました。これまで、強い国家権力に対して立場が弱い民衆は、たとえ理不尽な現実や社会規範であっても、抗うことなく社会の一員として無条件に受け入れざるを得ませんでした。しかしながら、近年、そうした現実に、声を上げる女性が増えています。「抗う女性たち」が社会を変えようとしているのです。特にアジアでは、まだまだあらゆる社会制度が男性目線で決定される社会が色濃く残っています。そうした中で、女性たちが声を上げる姿勢は、社会に衝撃をもって受け止められてきました。女性による強い意思表明は、男性よりも勇気がいるからこそ、社会にもたらすインパクトと共感は深いものになるのかもしれません。特に、政治や国家権力に対しての反抗は、大きな影響を生み出す機会につながっています。
◆インターネットやSNSで育まれるコミュニケーション
こうした社会における変化の兆しは、インターネットやSNSの発達がもたらしているといっても過言ではありません。男女に関わらず、市民一人ひとりが、意思表明できる土壌がつちかわれているのです。そのなかで、女性の持つ高いコミュニケーション能力が、幅広い社会の共感を獲得しているといえるかもしれません。権力や古い規範によって抑圧されてきた社会は、国境のないネット社会によって、少しずつその壁が崩されようとしています。そうした「抗う女性たち」は、大きな権力に立ち向かうだけでなく、ささやかな日常からも社会を変える力を発揮します。家庭や子育て、職場など、身近なところでの小さな意思表明によって、じわじわと女性が主体的に生きる社会が生まれています。搾取され続けてきたアジアの女性たちが、自らの人生に尊厳を持って生きることの大切さに気づきはじめているのです。そうした自由と平和と希望を求めて、理不尽な社会に対して懸命に「抗う女性たち」の姿は、困難な社会にあっても、私たちに前向きに生きる勇気や元気を与えてくれます。彼女たちの奮闘ぶりは、あらためて私たちに生きる意味や、自らの生きざまについて問いかけ、考えさせてくれるのです。
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