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タミルの虎 銃を手にした少女たち
【日本初公開作品】
原題:Blizny/英題:SCARS
2019年製作/作品時間79分
撮影地:スリランカ
製作国:ポーランド、ドイツ
内戦中、わずか17歳で「タミル・イーラム解放のトラ」(通称:タミルの虎)に参加し、ラジオの宣伝放送でアナウンスをしていた女性が、かつての同志を訪ねて当時を振り返る。10代の少女たちが、なぜ銃を手にしなければならなかったのか。内戦は、少女たちにどのような傷を負わせたのか。26年にわたる戦いで彼女自身も片腕と片目を失いながら、終戦後も心身に傷を負った人々を支える活動を続けてきた。自らの青春を戦闘に捧げた少女たちが、敗戦後、社会から排除され、仕事の機会を奪われ、汚名を着せられてきたという現実。まだまだ未解決のままタブー視されるスリランカ社会の闇に、希望の光は射すのだろうか。
監督:アグニエスカ・ツヴィエフカ
プロデューサー:ステファン・クロース、ミカエラ・プナセコワ
編集:トーマス・アーンスト
撮影:カツペル・チューバック
◆すべての人々の人間らしさを奪った内戦◆
世界では、スリランカの内戦について、「タミルの虎」の女性兵や少年兵が自由の戦士として最前線で戦っている、と好意的に報道をされることもありました。しかし、女性兵や少年兵は、必ずしも自由意志で戦闘に参加していたわけではありませんでした。武装勢力による徴兵という名の誘拐が横行していたのです。コロンボなどで頻発した自爆テロは、そうして戦場へ連れられた女性兵や少年兵が使われたともいわれています。また「タミルの虎」の兵士たちは、常に青酸カリのカプセルを首にかけ、敵に捕らえられる前に秘密保持のため自害しなければなりませんでした。そのため北・東部州だけで、6万5千人以上が死亡しました。スリランカの人々は、対立する双方ともに、数十年にわたって命の危険におびえ、人間らしい生活を奪われてきたのです。
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