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ナーガ 永遠のヨギ
2016年製作／インド／作品時間72分
極限のヨーガの実践に人生を捧げるインドの神聖な修行者「ナーガ」。彼らは、私たちが想像するような身体的エクササイズの愛好家やインストラクターとは違います。生涯、物質世界から遠ざかるために禁欲主義を徹底しているヒンドゥー教の敬虔な信徒なのです。彼らは、衣服さえ放棄し、褌一枚きりか、あるいは全裸で生活し、髪を切らず、髭も剃らず、聖なる灰を体に塗って生きているのです。このドキュメンタリー映画は、そんな彼らが、ヒンドゥー教の最も重要な宗教祭であるクンブ・メーラに向かう旅を記録したものです。世界最大の平和的な巡礼集会で、ユネスコの無形文化遺産に認定されているクンブ・メーラは、数千年に及ぶ歴史があります。現代のインド社会において、こうした壮大な修行者の営みが、なぜ永遠のように受け継がれるのでしょうか。そこには、揺るぎないインド独特の死生観があるのです。
※作品中に全裸の修行者が登場しますが、作品の意義や作家性を尊重し、映像を修正、改変することなく配信しています。
監督：クリシュナ・アガッツィ・フィリッポ・ガスタルディ
◆衣服だけでなく、精神的なすべての重荷をも脱ぎ捨てる◆
インドの総人口の約8割を占めるヒンドゥー教徒。彼らの死生観は、輪廻や解脱といった宗教的な思想を核としたものです。輪廻とは、前世の業（カルマ）が現世にあらわれ、現世の業（カルマ）は、来世にあらわれ、この繰り返しは解脱しない限り永遠に続くという思想です。「ナーガ」と呼ばれる修行者たちは、所有物や衣服だけでなく、精神的なすべての重荷を脱ぎ捨て、現代社会の規制や束縛、そして自己の執着から解き放たれながら、ヨーガを極めることによって、最終的に解脱を目指しています。彼らの考えでは、人間にとって、この世は魂が進化するための「修行の場」だといいます。ヨーガの世界の深いところに少しでも触れることで、ヨーガの思想は、私たちの生き様を振り返るための大切な気づきを与えてくれるでしょう。
[予告編]
（映画賞／映画祭）
2017年 第１回リシケシュ（インド） 芸術映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
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