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母との別れー残酷で最大の愛ー

【日本初公開作品】
原題:Mother
2019年製作/タイ・スイス/作品時間82分
 
タイの第二の都市、チェンマイから数キロ離れた小さな村ファハム。ここに認知症の患者を受け入れる介護ホーム「バーン・カムランチャイ」があります。入所しているのは、十数人のヨーロッパ人。ここで働くポムは、スイスから来た女性を1対1で介護をしています。ポムはより良い生活を送るために、自分の子どもたちの近くにいることを犠牲にし、ここで働いています。一方、スイスでは、家族が認知症の母親に別れを告げ、彼女を遠い外国の見知らぬ人の手に渡すことを決意します。苦渋に満ちたそれぞれの思い。残酷なようで、それは最大の愛でもあるのです。
 
監督:クリストフ・ビルセン
 
◆老人は尊敬され、若者が年配者の面倒を見ることが当たり前の社会◆
タイの介護ホーム「バーン・カムランチャイ」は、一人のスイス人が立ち上げました。彼は、認知症を患った母親を持ち、介護に追い詰められた父親を自殺で失いました。しかし、スイスでの長期介護は費用が高く、母の行動範囲を狭めたり、大量の薬物投与で落ち着かせたりしたくないという思いもあり、苦渋の決断をします。母親をタイに連れていくことにしたのです。彼は仕事の経験で、タイについてよく知っていました。それは、生活費や給料水準が低いことだけが理由ではありません。何よりタイでは、老人は尊敬され、若者が年配者の面倒を見ることが当たり前の社会だったのです。タイの介護士は、24時間、彼の母親を介護しました。彼は、ここでの介護が家族にも患者にも意義があると確信し、1年後に施設を設立したのです。今後、認知症が大幅に増える日本でも、新しい介護モデルが求められることはいうまでもありません。

[予告編]

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