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馬ありて

2019年製作/日本/作品時間88分
北海道帯広市、むかわ町穂別、岩手県遠野市を舞台に、馬と人間の生活を追ったドキュメンタリー。マイナス25度の北海道の地で何百キロの重りとソリを引く「ばんえい競馬」と呼ばれるレースに挑戦する馬と馬飼い、車が入れないような山中で伐採した木材を馬を使って運び出す「馬搬」の職人、馬の売買で生計を立てる「馬喰(ばくろう)」、そして馬と人間の娘の悲恋を描いた伝説として今なお語り継がれる「オシラサマ」の伝説など、約1800年前からはじまったとされる馬と人間の関わり、その歴史を背景にした馬と人間の現在の姿、密接な関係をモノクロの映像でつづっていく。
 
監督:笹谷遼平(六字映画機構)  
音楽:茂野雅道   
製作・配給:グループ現代
 
◆「馬も人間も、連綿と続く自然の一部」◆
極寒の朝、凛とした凍てつく空気のなかで、馬の吐く息が白く、輝いている。どっしりとした体格に、美しいたてがみが神々しい・・・。そこには、馬独特の気高さのようなものを感じます。「人間にとって馬とは何なのか?」。働き手であり、家族。かつては、人間よりも大切な存在だとされ、伝説や信仰の対象でもありました。しかし、現代の私たちにとって、馬はそうした身近な存在ではありません。笹谷監督は、撮影を進めるにつれ、馬と人間の営みは「終わりに向かっている文化」だと再認識したといいます。古来、人間と馬の関わりの中で、連綿と受け継がれてきたもの、そして失われていくものとは何か。また、人間が馬と、そして自然とどのような関係を結んできたのかについて、消えゆく日本の原風景とともに静かに見つめるドキュメンタリーです。 

[予告編]

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