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人間の穴

~マイナス40度の冬は、マンホール生活。モンゴル貧困層は、孤独や結核の脅威に怯え、寒さに耐えて生きる~

 
【日本初公開】
原題:Human Holes
2021年製作/作品時間30分
撮影地:モンゴル
製作国:ドイツ
※全世界から視聴可能

モンゴル・ウランバートルで暮らすホームレスのコミュニティを追った生活記録。主人公のハフフは妻子と別れ、ゴミの山から空き瓶を集めて暮らすベテランのホームレス。彼を慕うチンギスらとともに、マンホールの中を寝食の拠点にしている。マイナス40度まで冷え込むウランバートルの街で、温水パイプが引かれたマンホールは、彼らにとって凍傷を防ぐ唯一のシェルターだ。しかし、マンホールの中は湿度が高く、空気感染疾患・結核を患う者も多い。近年はマンホールの封鎖が進み、居場所を失いつつあるホームレスたち。それでも彼らは、寒さや貧困、孤独に耐えて生き続ける。
 
監督、撮影、編集:ポール・ヘンシェル
プロデューサー:エンフツァグ・ダムディンジャブ、アンドレアス・アイゼナハ、ポール・ヘンシェル
音楽:ミヒル・ブリッチ

<作品の見どころ・社会問題提起>
◆モンゴルの経済崩壊と自然破壊の被害者が逃れ着いたマンホール◆
社会主義国だったモンゴルは、ソ連崩壊とともに民主化と市場経済の導入に舵を切りました。しかし急激な改革のあおりで貧富差の拡大と貧困層の増加を招き、失業者は急増。多くのホームレスやアルコール中毒者を生み、犯罪や家庭内暴力、社会不安が増大しました。市場経済導入直後には“マンホールチルドレン”と呼ばれる、マンホールで暮らすストリートチルドレンの存在がクローズアップされ、子どもたちの保護活動や支援が活発になりました。その後、異常気象により家畜が死滅し牧畜業や生活が立ち行かなくなった遊牧民が都市圏に流入。仕事を得られずホームレス化した彼らが、今はウランバートルの地下マンホールで暮らしています。社会的弱者のホームレス生活は、家族崩壊やアルコール依存、極寒による凍傷、マンホール生活による結核などの健康被害を招き、医療アクセスの困難さなどに直面しています

[予告編]

(受賞歴/映画祭)
2017年 the Camgaroo Award 最優秀ドキュメンタリー


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