小児麻痺を乗り越えた偉大な音楽家イツァーク・パールマンの軌跡を描いた伝記映画『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』

今回のドキュメンタリー映画紹介は、小児麻痺という障害を乗り越え、世界的なバイオリニストとして名を馳せるイツァーク・パールマンの人生と音楽活動を追った伝記映画『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』です。ジョン・ウィリアムズが手がけた映画『シンドラーのリスト』の曲を奏で、グラミー賞やエミー賞など数多くの受賞歴を誇り、20世紀の最も偉大なヴァイオリニストと称されているイツァーク。本作にはファン必見の貴重映像が多く記録されています。イツァーク・パールマンと同時代を生きたズービン・メータやヨーヨー・マなど、著名音楽家との交流も見どころの一つ。イツァーク・パールマンの偉大なバイオリニストとしての歩みと人間味あふれる魅力が詰まったドキュメンタリーです。それでは作品紹介をさせていただきます。
<作品紹介>
ドキュメンタリー作品タイトル:イツァーク 天才バイオリニストの歩み
~音楽の力を信じるすべての人に!障害を乗り越え、人生を奏でる音楽家、イツァーク・パールマンの人生讃歌~
制作年/作品時間 | 2019年製作/作品時間83分 |
撮影地 | イスラエル・アメリカ |
製作国 | イスラエル・アメリカ |
監督 | アリソン・チャーニック |
20世紀後半の最も偉大なバイオリニストと称され、日本でも愛されてきたイスラエル生まれのバイオリニスト、イツァーク・パールマン。彼が、いかにして世界的なバイオリニストへと駆け上がり、偉大な音楽家として世界で認められたのか。その歩みを彼自身が語り、またイツァークの妻トビーとの対話やプライベートにも密着したドキュメンタリー映画。彼は、4歳でポリオ・小児麻痺にかかり、下半身が不自由になってしまうが、夢を諦めず、イスラエルからアメリカに移り住んだことをきっかけに障害者の困難(歩行障害)をものともせず彼は頭角を現す。イツァークが奏でるバイオリンの音色は、オバマ大統領の就任式や映画「シンドラーのリスト」のテーマ曲など、世界中の人々に感動を与えてきた。その細部まで行き届いた美しい音色、心に響く演奏はどこから来るのか。2018年度グラミー賞ノミネート作品。
[ドキュメンタリー作品・予告編]

『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』の見どころをお伝えする前に、イツァーク・パールマンの略歴や演奏曲、使用する楽器などの解説や、世界的な有名バイオリニストをご紹介しますので、ご参考いただけたらと思います。
<解説!イツァーク・パールマンの略歴、演奏曲、使用楽器>
■イツァーク・パールマンの略歴と功績■
1945年、イスラエルのテルアビブに生まれたイツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)は、4歳の時に「ポリオ(小児麻痺)を患い歩行障害を抱えながらも、音楽の道を志しました。若干3歳から音楽に触れ、テルアビブ音楽院で学んだ後、渡米し13歳でアメリカのタレントコンクールのテレビ番組に出演し注目を集め、ジュリアード音楽院に進学。以来、世界的なキャリアを築いてきました。
イツァーク・パールマンのレコーディング分野では、15回にもおよぶグラミー賞受賞やエミー賞を4回受賞し。2009年のオバマ大統領の就任式では、チェリストのヨーヨー・マ等と演奏したり、2015年70歳の時に、オバマ大統領から大統領自由勲章授与など、アメリカ文化への貢献も評価されています。さらには指揮者や教育者としての活動など、多方面でその才能を発揮しています。20世紀における最も偉大なヴァイオリニストと評されています。

■代表的な演奏曲と名演■
イツァーク・パールマンの演奏レパートリーは極めて広く、バッハの無伴奏ソナタ、ベートーヴェンやブラームスのヴァイオリン協奏曲、クライスラーの小品など、クラシックヴァイオリンの名曲を数多く演奏しています。クラシック音楽だけでなく、ジャズやポップスとのコラボレーションによる演奏など多岐にわたり、情熱的で、精密な演奏技術で多くの人たちを魅了してきました。特に有名な演奏として、映画『シンドラーのリスト』のテーマ曲があげられます。作曲家ジョン・ウィリアムズの哀切な旋律を、パールマンが繊細かつ情熱的に演奏し、世界中の人々の心を掴みました。
■使用楽器「デル・ジェズ」「ストラディヴァリウス」■
イツァーク・パールマンが演奏に用いるヴァイオリンは、希少なグァルネリのデル・ジェズ「ソーレ」や1714年製のストラディバリウス「ソイル」を利用していたことが知られています。
ストラディバリウスの名器は、音色の美しさとバランスの良さから「奇跡の楽器」と称されることもあり、多くの名演奏家が愛用してきました。彼がこのストラディヴァリウスから引き出す音は、まさに魂の響きとも言えるもので、演奏に深みを加え、唯一無二の魅力を放っています。

◇世界の有名なバイオリニスト紹介(抜粋)◇
イツァーク・パールマンは世界的な偉大なバイオリニストと評されていますが、世界の有名なバイオリニストをほんの一部ですが、ご紹介します。
ヤッシャ・ハイフェッツ | 20世紀を代表するヴァイオリニストの王と称される巨匠 |
ユーディ・メニューイン | 教育者としても知られた英国の名バイオリニスト |
アンネ=ゾフィー・ムター | 現代クラシック界の女王とも呼ばれるドイツの名手 |
ヒラリー・ハーン | 技巧と感性を兼ね備えたアメリカの人気演奏家 |
ギル・シャハム | イツァークパールマンと並び称されるイスラエル出身の実力派 |
諏訪内晶子 | 日本を代表する国際的バイオリニスト |
<『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』ドキュメンタリー作品のみどころ>
イツァーク・パールマンは、4歳でポリオ(小児麻痺)を発症し、以来、下半身が不自由になり、松葉杖や車椅子を用いながら音楽の道を歩み続けてきました。彼の演奏は、クラシック音楽界だけでなく、映画音楽や教育、そして福祉活動にも広がりを見せています。イツァークパールマンが取り組んできた障害者への音楽教育支援や、若手音楽家の育成には、単なる成功者の人生を超えた、深い社会貢献を感じることができます。
交流する音楽仲間も豪華で、ズービン・メータ(指揮者)やヨーヨー・マ(チェリスト)、ミッシャ・マイスキー(チェリスト)、エフゲニー・キーシン(ピアニスト)、マルタ・アルゲリッチ(ピアニスト)、ビリー・ジョエル(シンガーソングライター)といったトップアーティストと過ごしてきました。
本作では、音楽に対する愛情はもちろん、彼の自宅でのプライベートな様子や、妻トビーとの日常や家族との時間も描かれ、明るくユーモラスな性格や人間味あふれる一面を垣間見ることができます。


■こんな方におすすめ■
『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』は音楽ドキュメンタリー作品として、多くの方にとって興味深く見ていただける作品ではありますが、特におすすめな方は、有名なバイオリニストや演奏家の伝記やドキュメンタリーに関心がある方、イツァーク・パールマンやジョン・ウィリアムズ等の作曲家が好きな音楽ファン、音楽ドキュメンタリーやクラシック音楽映画を探している方、シンドラーのリストの音楽が心に残った方、障害を乗り越えた人物の挑戦に感動したい方など、音楽に携わる方にぜひご覧いただきたい作品です。
イツァーク・パールマンは、松葉杖や車椅子生活の障害を乗り越えて、偉大な音楽家として足跡を残してきました。本人は、あくまでも明るく、温かく、希望に満ち、人生の過酷な経験と精神性が演奏に滲み出ます。イツァーク・パールマンの演奏は「祈り」のようであると評価され、人の心に深く触れる力があります。イツァーク・パールマンの音楽の力を本作の視聴で体感してみませんか。

◇その他おすすめドキュメンタリーご紹介
音楽ドキュメンタリーの関連作品では、今回ご紹介した『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』以外にも盆踊りをテーマに、ハワイの日系文化の歴史をミュージカルのように音楽で辿るドキュメンタリー映画『盆唄』も公開されています。こちらも素敵な作品ですので是非ご覧になって下さい。
[サイトURL:https://asiandocs.co.jp/contents/86]
【コラム】おすすめ!必見作品『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』
アジアンドキュメンタリーズの配信作品の中から、今、特に注目されている人気の話題作をピックアップしてご紹介させていただきます。
ドキュメンタリー作品ページはこちらからご視聴下さい。
『イツァーク 天才バイオリニストの歩み』 https://asiandocs.co.jp/contents/87
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