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支配される人々

【日本初公開作品】
2011年製作/コンゴ/作品時間77分
アフリカのコンゴ民主共和国にある道路建設現場。工事を担っているのは中国企業です。作業を監督する中国人は現地作業員を雇いながら泊まり込みで工事を進めていきます。トラックや重機も、すべて中国から運んだものです。頼りになるのは、中国語を話す現地人の通訳一人。彼の通訳で、作業が進められていくのですが・・・。中国人と現地人の価値観の違いや、信頼関係の欠如、それぞれの思惑などが交錯し、工事はなかなか思うようには進みません。それでも、アフリカには中国人が押し寄せ、その影響力は増していきます。そんな現実の一端を垣間見るドキュメンタリーです。
 
監督:ブラム・ファン・パエッシェン
 
◆「コンゴ人は金に限らず何でも、すぐに使い果たしてしまう」◆
中国人監督者から頼りにされている現地通訳のエディ。中国人監督者は、つねに横柄な態度で、物を買うときにも値切り倒します。それを通訳するエディは、決して良い気分ではありません。そして、エディは気づくのです。コンゴは中国に搾取されているのではないかと。一方、コンゴはたった60年前までベルギーの植民地でした。コンゴの人々は独立を望みましたが、鉄道や道路など、ベルギーが残していったものを、コンゴはただ放置して朽ち果てさせてしまいました。独立したコンゴ人の政府に管理運営する能力がなかったのです。中国人監督者はそんなコンゴを揶揄します。「コンゴ人は中国人と金銭感覚が違う。ベルギー式だからな。金に限らず何でも、すぐに使い果たしてしまう」。そして、コンゴの人々は皮肉を込めて自問自答するのです。「中国人がダメなら、他の誰かが来るのでしょう。また、ベルギー人がくるのか。しゃべるペンギンか、火星人か。そのうち分かります」。

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