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共犯社会 殺される労働者

【日本初公開作品】
原題:Complicit
2017年製作/作品時間89分
撮影地:中国
製作国:アメリカ
 
中国の工場で働く出稼ぎ労働者たちが、いかに危険な労働現場で搾取されているかを企業や地元政府の圧力に屈することなく世界に告発したドキュメンタリー映画。中国・香港を拠点にする非営利の労働権利団体が、アメリカの環境団体と連携しながら、iPhoneとiPadの組み立て製造過程で危険な化学物質を使用していると訴える過程を丹念に取材した闘争の記録である。問題の化学物質は白血病の発症や神経障害と関連があるとされるベンゼンとn-ヘキサン(ノルマルヘキサン)。企業側は使用を否定しているものの、製造工程で洗浄液などに使用されている実態を調査し、労働者たちが職業性中毒により命を落としている現実を、ドキュメンタリー映画を通して世界に明らかにした。企業と病院、地元政府との癒着も見え隠れする。
 
監督:ヘザー・ホワイト、リン・チャン  
プロデューサー:ヘザー・ホワイト  
編集:リン・チャン、クリストファー・スウォード  
撮影:シャオグアン・サン、リン・チャン  
音楽:フレディー・ブライアント
 
◆「安い溶剤のせいで、みんな殺されかけた」◆
病院で治療を受ける工員がいるのに、工場で有毒物質が使用され続けている現実があります。同じ職場で白血病になった事例を20件以上も発見し、工場が職業性疾病予防に関する法律に違反しているにもかかわらず、企業側が業務と病気の因果関係を認めていないためです。こうした実態は、企業と病院、政府の癒着によって長らく隠蔽され続けてきました。労働災害の被害者たちは、自ら受けた苦しみをさらに広げたくないという思いから、ボランティアで被害者支援の活動を続けてきました。亡くなった息子の治療のために破産した父親は、工場の門前で叫びます。「会社は生活費も医療費も払わず、締結した和解契約書を破棄した。無責任な人殺しめ!」。こうした事例は、まだまだ氷山の一角にすぎないのです。

[予告編]
 
(映画賞/映画祭)
フランス国際人権映画祭2017 グランプリ
DOXAドキュメンタリー映画祭2017(カナダ)女性映画ジャーナリスト同盟 EDA賞
ナポリ人権映画祭2017 ドキュメンタリー特別賞
ヒューマンズフェスト2018 長編最優秀ドキュメンタリー賞
生科学映画祭2018(アメリカ)ソーシャルメディア賞
ハリウッドインディペンデント映画祭2018 ドキュメンタリー賞
WUFF(労働者団結映画祭)2018(アメリカ)最優秀ドキュメンタリー賞
LIFE AFTER OIL国際映画祭2018(イタリア)グランプリ

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