特集「勤労について考える」(全12本)
◆人は何のために働き、何を得るのか
11月23日は「勤労感謝の日」。働くことや仕事そのものを大切な習慣として重んじ、国民同士が互いに感謝を示し合う日として制定された祝日です。働く理由は生計を立てるためだけでなく、個人の自己実現や社会貢献を目的にする人もいます。その傾向は、経済成長を遂げた国では顕著に現れています。一方、開発途上国や伝統的な社会構造が強く残る国では、否応なしに先祖から受け継いだ仕事に就く者や、低賃金の単純労働で搾取される労働者も多くいます。働き方にお国柄や社会構造が見え隠れする、「働くこと」をテーマにしたドキュメンタリー映画をピックアップしました。
◆労働を介して生まれる社会性と人間関係
働いて賃金を得ることは、経済社会を生きていく上で欠かすことができません。しかし、地域によっては仕事がなく、収入を求めて出稼ぎに行く労働者も多くいます。また、身分制度により就きたい仕事に就けない場合もあります。多くの場合、労働環境は劣悪で、賃金は低く、貧困から抜け出すことは困難です。また、途上国では労働災害への補償も満足にありません。けがや失業のリスクを負いながらも、危険な仕事に従事する労働者たちもいます。それでも人々は働き続け、職場には友情やチームワーク、コミュニティーも生まれています。労働には、生活手段としての役割の他にも、社会参加や人間関係の醸成といった副次的な恩恵があるのです。
◆豊かな人生を実現するために働く人たち
働く行為そのものに楽しみを見つける人、労働で獲得したスキルをもとに、次のステップを目指す人、労働を通じで自分の未来を見つめ直す人……。働くことにはその人の人生を豊かにする効果もあります。自分のため、家族のため、会社のため、地域のため、理由はさまざまですが、目標達成によって労働者自身が成長し、変化するさまも見られます。人には働くことを通してしか得られない学びや気づきがあり、だからこそ労働は尊いものといえるでしょう。勤労感謝の日に体を休めながら、アジアの多様な働き方を収めた作品をお楽しみください。
お気に入り登録数:0