特集「未来を探す少女たち」(全11本)

◆なかなか教育を受けられない少女たち
アジア各地では、まだまだ男性優位の価値観や社会構造が存在し、ジェンダー平等が叫ばれる中でも女性蔑視や人権侵害が続いています。そうした社会においては、特に女の子の就学についても幾つもの壁が存在します。「女子は教育を受けるべきではない」「家事をするのに教育は無駄だ」「早く結婚して家を守れ」という古くからの価値観や習慣があたり前になっています。金銭的な余裕がないために、男の子を優先して学校に通わせる家庭がいまだに多いのです。さらに、家から学校までの距離が遠く、危険な地域を通る必要がある、学校に女子トイレが無いなど、女の子にとって教育を受けられる環境が十分に整っていないという現実があります。
 
◆貧困から抜け出せず、児童婚や人身売買、性的搾取の犠牲に
さらに、貧困から抜け出せない家庭では、女の子がはるか年上の男性と結婚させられたり、働くために学校を辞めさせられたり、酷い場合には人身売買で外国に売り飛ばされることもあります。金のために親から売春を命じられ、性的搾取の犠牲になる場合もあります。原理主義的な宗教国では、一人で外出することも許されず、仕事にも、買い物にも行けない現実があります。にわかに信じられないことですが、教育を受けて社会で自立をめざす女の子に対して暴力で抑え込んだり、劇薬をかけて大けがを負わせたり、銃撃するなどして殺害しようとする人々もいるのです。
 
◆より良い未来を考える上で改めなければならないもの
それぞれの国や社会、文化によって異なりますが、どこの国にも厳しい現実と向き合い葛藤しながら、自分の未来を探そうと懸命に生きている少女たちがいます。彼女たちを通して見えてくるものは、社会の歪みや偏った価値観、弱者が虐げられる社会構造など、より良い未来を考える上で改めなければならないものばかりです。そして、いかに教育が大切なものであるか、その教育によっていかに多くの人々が救われるのかを深く考えさせられます。

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