特集「父と娘」(全5本)

◆繊細な関係性の父娘にそれぞれの家族観を見る
親子関係の中でも難しいと思われているのが父と娘の関係ではないでしょうか。親子なのに異性であることや、しつけが厳し過ぎたり、父親が子育てに消極的だったりすることが原因になることもあります。多感な時代を過ごす娘の気持ちを理解することが難しい父親もいるでしょう。家族の心をつなぐ母親が不在の家庭では、コミュニケーションがうまく取れない父娘も。家族でありながら繊細な関係性の上に成り立つ二人、それぞれの立場や思いを感じられるドキュメンタリーを用意しました。
 
◆伝統的な家族制度から抜けられない思考
アジアの多くの国では、伝統的に家父長制の社会を築いてきました。そのため子どもは、娘よりも息子のほうが大切にされ、娘には教育の機会もないという時代が長く続きました。また、子どもが何か新しいことをするときは親の許可が必要ですが、女の子の場合はなかなか許可が得られないといったことも多くあります。さまざまな機会を妨げられてきた女性にも権利が認められてきた昨今ですが、娘となるといまだに親の存在が大きな妨げになることも。父親のエゴと娘の願いがぶつかるとき、さまざまなストーリーが生まれます。
 
◆親子だからこそ通じる思いと伝わる愛情
どんなにすれ違って、どれだけ衝突しても、父と娘は親子です。娘の幸せを願わない父や、父の健康長寿を願わない娘はそうそういるものではありません。日頃は仲が悪そうな父娘でも、いざとなれば自分の生活や人生までも投げ打って、相手のために動くことができるものです。ネガティブな思いを持つことがあっても、互いを思いやる気持ちは捨てきれません。母娘よりも少しだけ不器用な父娘だからこそ感じられるヒューマニズムがあるのです。

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