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【新登場】追い払われた町

2025年製作/作品時間70分
撮影地:トルコ
製作国:ポーランド
※全世界から視聴可能
 
ハサンケイフはトルコ南東部、チグリス川のほとりにある街。クルド人とアラブ人が何世代にもわたって暮らしてきたこの地が、ダムで水没することになった。住民は数キロ先のニュータウンへの移住を迫られた。近隣の家々が取り壊され、街は徐々に人の気配がなくなっていく。父とともに理髪店を営む青年ブラク、三世代家族で暮らすヤギ使いのレンギン、2人の主人公を通して、映像は消えゆく故郷の悲哀を伝える。彼らを待ち受けるニュータウンでは、新居は政府の持ち物とされ、改築はもちろん壁の塗り替えさえも許されない。家や店舗は新築だが、ブラクの父や他の高齢者たちは不調を訴える。開発と引き換えに失ったものの大きさに、トルコ政府が気づくのはいつだろうか。
 
監督・脚本・撮影:ナタリア・ピーチ、グジェゴシュ・ピカルスキ
編集:アラン・ツィーアー
プロデューサー:カタリーナ・コステチカ
音楽:ヨゼフ・フォン・ヴィセム
音声:トマシュ・ドゥクシュタ
 
◆1万2000年の歴史を水没させた開発計画
トルコは20世紀前半に、国家主導で近代化プロジェクトを推進。しかし低所得で教育水準の低い少数民族が暮らす南東部は、大部分が置き去りになりました。1970年代、政府はこの地域に対する救済策として、22カ所のダムと19カ所の水力発電所、そして道路や橋などのインフラを建設する「南東アナトリア開発計画」に着手。メソポタミア文明発祥の地であるチグリス=ユーフラテス川流域が、開発の舞台となったのです。そのダムの一つ「ウルス・ダム」により、1万2000年前に開かれた街ハサンケイフの住民およそ3000人は立ち退きを余儀なくされました。ウルス・ダム建設は、全長400キロにわたる河川の生態系や数十カ所の集落、300カ所の遺跡を水没させ、およそ1万5000人が立ち退くことになるほどの大規模なものでした。
 
[予告編]
 
(受賞歴/映画祭)
 
2025年 クラクフ映画祭(ポーランド) ポーランド国内コンペティション:ゴールデン・ホビーホース賞ノミネート
2025年 ヴィジョン・デュ・レール国際映画祭(スイス) 国際中編映画部門 特別ユース審査員賞受賞
2025年 シネマアンビエンテ環境映画祭(イタリア) 最優秀国際ドキュメンタリー賞受賞
2025年 コシャリンスキ若手映画デビュー祭(ポーランド) 長編ドキュメンタリー部門:グランド・ヤンタル賞受賞
2025年 エーゲ海映画祭(ギリシャ) 長編ドキュメンタリー部門:観客賞ノミネート

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