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【新登場】まるで本物のように

原題:Make It Look Real
2024年製作/作品時間68分
撮影地:パキスタン
製作国:パキスタン、ベルギー、オランダ
※全世界から視聴可能
 
パキスタンで写真スタジオを営むサキーは、画像の合成加工を得意としている。店頭には客が花畑や戦場を背景に、あるいは美しい女性と一緒に並んだ写真など、さまざまな見本が並ぶ。撮影した客の写真には、シミ取りや色白加工などを施す。客がそれを望むのだという。映像作家のダニエルが、サキーの日々に密着した。そこに見え隠れするのは電力不足や民族紛争、テロリズム、インフレなど。パキスタンの日常や国民性、抱えている問題を浮き彫りにしている。欧州に密入国して市民権を得ることを夢見る一方で「現状に満足している」とも語るサキー。合成写真で客の夢を実現させることは、理想と現実の間で生きる彼自身の心の投影かもしれない。
 
監督・撮影・アニメーション:ダニエル・シャー
アニメーション・編集:セバスティアン・デメッフェ
サウンドデザイン・編集・録音:トマス・フェランド
音楽:アマン・チャンケシ
 
◆経済危機に揺れるパキスタンの苦境と混迷
パキスタンは現在、アジア最高水準の猛烈なインフレと通貨安に喘いでいます。ルピーの価値がかつての3分の1にまで暴落したことで、輸入に頼る医療品や自動車部品の価格が跳ね上がり、中間層ですら「普通の生活」を維持することが困難な状況です。政府はIMFの融資条件を満たすため、光熱費の引き上げや40%もの増税を強行しましたが、これが国民の激しい怒りと不満を招いています。生活コストの高騰により、たとえ共働きであっても家賃や燃料費を賄えなくなるケースが増え、将来を担うべき高度人材が国外へ脱出する「頭脳流出」も深刻な影を落としています。経済的困窮に加え、少数民族ハザーラ人を標的としたテロなど治安不安も根深く、国民は極めて過酷な試練の渦中にあります。
 
[予告編]
 
(受賞歴/映画祭)
 
2025年 Belgian Film by Cinéma en ateliers (ベルギー) 審査員賞
 
2025年 トランシルヴァニア国際映画祭 オフィシャルセレクシ
2025年 True/False映画祭 オフィシャルセレクシ
2025年 テッサロニキ・ドキュメンタリー映画祭 オフィシャルセレクシ
2025年 トロント・リール・アジアン映画祭 オフィシャルセレクション
2025年 Margaret Mead映画祭 オフィシャルセレクション
2024年 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 オフィシャルセレクション

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