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【新登場】カシミール 水をめぐる紛争
原題:Kashmir’s Troubled Waters
2020年製作/作品時間45分
撮影地:インド、パキスタン
製作国:インド
インド、パキスタン、中国の3国が領有権を主張し、紛争が続くカシミール。多くの要素が複雑に絡み合う、国境紛争を超えた難解な問題を、水資源の側面から紐解いた。1947年のインド併合以降、インドの歴代指導者がカシミールの歴史や人々の心理、地政学的状況に対する戦略的な理解を欠いていた。カシミールはインダス川の源であり、慢性的な水不足に苦しむパキスタンにとっては生命線。中国はパキスタン占領下のカシミールでインダス川にダムと貯水池を建設。同時にインドが自国の水利権を行使するためのインフラ整備を阻止するため、パキスタンを通じて低コストでカシミールにおける武装勢力活動と反乱を継続的に支援・維持している。カシミール問題は、歴史的、民族的な要因だけでなく、水も大きく関わっている。
監督・脚本・プロデュース:イクバル・チャンド・マルホトラ
撮影:アマール・シン
編集:ラジ・チャウハン
◆領土紛争を複雑化させた「水資源」問題
インドとパキスタンを流れるインダス川の流量の半分は、カシミール地方の山岳氷河が溶けた水であり、水資源問題は両国の領土紛争とも絡み合った複雑な対立の火種となっています。1960年に世界銀行の仲介で締結されたインダス水協定(IWT)は、カシミール問題を棚上げにした形で成立しましたが、インドは自国の水不足の深刻化 や、カシミール地域での水利用権の制限に対する不満から、協定の見直しを要求していました。2025年4月下旬、インドはカシミール地方でのテロ事件をきっかけにIWTの履行を停止し、取水インフラ整備を加速させました。水資源の約8割をインダス川水系に依存するパキスタンは、水供給の減少が経済・社会の不安定化を招くとして、インドの行動を「戦争行為」と警告。水資源をめぐる対立が、核保有国間の平和を脅かしています。
[予告編]
(受賞歴/映画祭)
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