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林昭の魂を探して

【日本初公開作品】
2005年製作/中国(民間ドキュメンタリー)/作品時間116分
中国の政治、社会においてタブー視されている中国現代史における事件、「反右派闘争」を扱ったドキュメンタリー映画。獄中で民主を求めるメッセージを自らの血で書き残し、1968年4月29日に処刑された一人の女性の生涯を、彼女の友人たちの証言や残された文書、写真によって辿り、事件の真相を浮き彫りにしていきます。彼女の名は、林昭(リン ジャオ)。北京大学の学生で、熱烈な毛沢東支持者であった林昭が、「反右派闘争」に疑問を抱いたことで「右派=攻撃の対象」とされ、その後、苦難を嘗め尽くす人生を歩みます。ドキュメンタリー作家・胡傑氏の執念の取材から見えてくるものは、中国共産党という政治体制の本質なのです。
 
監督・撮影・編集: 胡傑
 
◆強権に反抗し自由を追求する象徴・林昭の魂と出会う旅◆
ドキュメンタリー映画監督の胡傑氏は、カメラに向かって淡々と観客に語り始めます。「1957年の反右派運動後、大陸はどこも思考停止し、デマと恐怖が渦巻いた。その時こそ彼女は思考を独立させた・・・」。詩作を発表し、現実の政治に不満を表明したことで投獄された林昭は、獄中自らの血で書き残したメッセージで、人生をまっとうに正直に清く生きる権利のために戦うことは非難されるべきではないと主張しています。「最も血なまぐさい権力と罪悪の核心に触れ、それでも私はわかった。いまだに見逃してはいない。あなた方にも人間性の輝きがこぼれることを。だからわかっている。魂の深いところに、まだ人間性が滅ばずに残っていると」。林昭は後世の中国人民に対し、私たちの社会に本当に必要なものは何かを問うたのです。強権に反抗し、自由を追求する象徴として、あらためて今、彼女を追悼する動きが中国で静かに広がっています。

[予告編]

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