特集「危険な仕事」(全5本)

◆「危険な仕事」をする人々から垣間見える国や社会の実態
私たちは、仕事をすることで収入を得て暮らしています。しかし、その仕事は多種多様で、世の中には知られていない仕事もたくさんあります。中には、誰もがやりたがらない仕事や、極めて困難な仕事、特殊な技術や才能が必要なものもあります。仕事は、その人の個性のみならず、社会的な立場や境遇、生き様をあらわすものでもあるのです。なかでも危険な仕事をする人々からは、複雑な社会背景を垣間見ることができます。それは個人的なものだけではなく、その国の政治や経済、社会全体をも映し出すのです。
 
◆生きようとする人々の意志の強さや、凛とした輝き
誰も、望んで危険な仕事につきたいと考える人はいませんが、彼らは生きるために、そうした仕事を選択せざるを得ません。しかし、一方で、厳しい選択を迫られている人々ほど強靭な肉体や精神力を求められ、その強さから、生きようとする意志の強さや、凛とした輝きをも感じるのです。死と隣り合わせであるがゆえに、絶望の淵から這い上がるために、懸命に働きながら、かすかな希望を信じて生きる。彼らの生き様から、あらためて働くことの意味を考えさせられます。また、違った視点でテーマを捉えると、先進国では、危険な仕事をロボットが担うことも増えました。果たして、世界中のこうした危険な仕事を、ロボットが担うことができるのでしょうか?当然、人間が危険にさらされなくなる一方で、仕事を失う人も出てくるでしょう。私たちが危険な仕事について考えることで、人間の価値そのものへの問いにつながっていくのです。今回の特集では、非合法な仕事も含め、アジアのさまざまな〝危険な仕事〟を通して、その複雑な社会背景とともに、働く人びとの生き様に光を当てます。

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