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幸福の土地

【日本初公開作品】
英題:My Land
2015年製作/作品時間81分
撮影地:中国
製作国:中国
 
2010年の北京で、農地の接収が行われた。集落の委員会によって土地が競売にかけられ、農民たちは落札企業に立ち退きを求められた。地元農民はじゅうぶんな立ち退き料をもらう一方で、地方から北京に移り住んで開墾した者たちには、わずかな金額しか提示されなかった。河北省出身の主人公チェンジュンもその一人。平等な扱いを求めて村の役人に訴えるが、相手にされないどころか自宅の周りは全て更地にされ、果ては電気と水道まで止められてしまう。脅しにも懐柔にも屈することなく徹底抗戦を図るチェンジュンたち。権力と戦う家族の意地が伝わってくるドキュメンタリーだ。
 
監督:ファン・ジエン   
プロデューサー: イザベラ・ゼング
 
◆農民側が極めて不利な中国の土地制度◆
中国では、農村の土地や水利施設などの資源は私有ではなく集団所有。「村」はその所有主体です。中国の「村」は日本の市町村などとは異なり、公的な財政制度の枠外に置かれています。そのため、行政の下請けやインフラ建設などの業務実施のための財源は、村が自ら確保しなければなりません。村は、擬似企業体的な性格の組織なのです。 土地収用制度の最大の問題は、補償額が低すぎること。農地収用への補償は土地の市場価格によるものではなく、計画経済時代の「土地の元の用途」に応じて行う方法を使っています。収用後の用途や市場価値の増加などは考慮されず、経済成長による土地上昇の利益は農家に配分しないことを意味しています。

[予告編]

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