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私が死んでも

【日本初公開作品】
2007年製作/中国(民間ドキュメンタリー)/作品時間72分
"このドキュメンタリー映画は、1966年から1976年までの10年間、毛沢東が主導して中国全土を席巻した「文化大革命」を象徴するひとつの事件の記録です。その事件とは、北京師範大学附属女子中学・高校で起きた学生(紅衛兵)による女性教師(学校の党総書記で副校長)卞仲耘氏への集団リンチ殺人です。自分の妻が学生らに暴行を受け、殺害されたことを知った夫は、彼女の遺体をカメラに収め、その記憶を永遠にとどめようとしました。なぜ、彼女は非人間的な仕打ちを受け、殺されなければならなかったのか。夫が撮った写真、彼女の遺品、そして当時を知る関係者の証言・・・。夫は言いいます。「この真相を明らかにしなかったら、私は責任を果たさなかったことになる」。
 
監督・撮影・編集: 胡傑
 
◆毛沢東が、いかにして紅衛兵を利用して社会を破壊したか◆
1950年代の人民公社政策や大躍進運動の失敗により、実権を失っていた毛沢東が、実権派に対する奪権を目指して行われたのが「文化大革命」だといわれています。「資本主義の道を歩む実権派」を攻撃し、「ブルジョア階級の反動的学術権威者」たちをつるし上げろと叫んだのです。「造反有理(造反にこそ道理あり)」「革命無罪(革命に罪なし)」として、紅衛兵運動を支持した毛沢東に踊らされた若者たちは、革命と称して蛮行を競い、積み上げてきた歴史的財産や社会基盤をことごとく破壊したのです。そして近年、習近平政権が毛沢東を模倣した政治運動を展開しており、「文化大革命」再来への懸念が関係者の間で広がっています。2014年、卞仲耘氏が殺された学校の元紅衛兵リーダー・宋彬彬氏ら20名が、彼女の銅像に黙祷し、懺悔したと中国そして日本のメディアでも伝えられました。たとえ公に上映禁止であっても、本作が水面下で多くの知識人に視聴されたことによる影響は大きいものでした。封印された歴史の闇に光をあてるドキュメンタリーの役割は、中国でますます重要になってきているのです。

[予告編]

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