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キリバス 大統領の方舟

【日本初公開作品】
原題:A NOTE'S ARK
2018年製作/作品時間74分
撮影地:キリバス共和国
製作国:カナダ
 
地球温暖化による海面上昇が、広大な太平洋の小さな島国を飲み込もうとしている。30年から60年で、国土が失われるといわれるキリバス共和国だ。国民から愛されているアノテ・トン大統領は、現状に大きな危機感を募らせ、国際社会に現状を訴える傍らで国民の移住計画を模索。一方、ニュージーランドへの移住権を得た6人の子を持つ若き母サーマリーも、葛藤を抱えながら新天地での生活を模索する。同じく、太平洋の島国である私たち日本が、彼らの危機と決して無関係でないことを静かに力強く訴えかける。
 
監督:マチュー・リッツ
 
◆2千年前から受け継がれてきた先住民の文化を守れるか◆
キリバス共和国は33の環礁で構成される国で、ハワイから南へ1,000マイル(約1,600km)以上、オーストラリアの北東約4,000マイル(約6,400km)に位置し、10万人の人々が暮らしています。すでにひとつの村で、護岸が壊れて集落全体が浸水し、海水が淡水池に入り込み、住民は避難を余儀なくされました。海面上昇は、今後さらに多くの人々の住宅を奪い、インフラを破壊し、脆弱なサンゴ礁を傷つけ、離島への食糧供給が妨げられてしまいます。「キリバスが水没したら、フィジーが全キリバス人の移住を受け入れる」とフィジーのナイラティカウ大統領はキリバス政府に表明。一方、キリバスはすでにフィジーに広大な農地を購入し、塩害でキリバスが耕作不能になる事態に備えています。約2千年前からミクロネシア系の先住民に受け継がれてきたキリバス独自の文化を守れるのか、私たち人類全体が問われています。

[予告編]

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